第11管・一條本部長「極めて深刻」 中国公船の動向で見解

 
尖閣諸島周辺海域での中国公船の動きについて説明する第11管区海上保安本部の一條正浩本部長=30日、那覇市の那覇港湾合同庁舎

 第11管区海上保安本部の一條正浩本部長は30日、那覇市の那覇港湾合同庁舎で会見し、昨年の尖閣諸島周辺海域における中国公船の動向について、接続水域での確認日数が336日、領海に滞在した時間が72時間45分となり、それぞれ過去最多となったこと、大型の機関砲を搭載した船が確認されたことの3点を挙げた。一條本部長は「極めて深刻だ」との認識を示した。

 また、同日の会見では、石垣市が29日から2日間の日程で尖閣諸島周辺海域の領海内で海洋調査を実施し、日本漁船4隻が操業する中、中国公船4隻が相次いで領海に侵入したほか、領海の外側にある接続水域でも2隻が航行している現状についても懸念を示した。

 一條本部長は「中国海警局の船が独自の主張をして領海侵入している。これまでも繰り返し話しているが、国際法違反だ」と改めて強調。さらに、繰り返し領海侵入、接続水域を航行することが相次いでいることについて「極めて深刻だ」と述べた。

 その上で、「引き続き、領海領土を断固として守り抜くという方針の下、緊密に関係機関と連携し、冷静かつ毅然(きぜん)とした対応を続け、領海警備に万全を期す」と語った。

 石垣市が昨年に続き2回目の海洋調査を実施したことについては「私どもの務めは日本船舶の安全を確保すること。どのような活動が行われようが、安全を確保するために任務を遂行する。現に今遂行している」と話した。

 同本部によると、領海侵入していた中国公船4隻は、30日午後1時50分ごろまでに退去し、同日午後4時現在、接続水域内を2隻の中国公船が航行しているという。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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