急成長中の国産ジン、気鋭の造り手たちが沖縄に集結!「DistiRally NEXT 2023」
- 2023/1/31
- 食・観光
日本各地の国産ジンの造り手たちが1つの蒸留所に一堂に会して、交流をしながらオリジナルのジンを製造するプロジェクト「DistiRally NEXT 2023」の交流会が1月14日、那覇市にある瑞穂酒造で行われた。
瑞穂酒造も含めて、全国から新進気鋭のクラフトジンの造り手19社が参加。各社の地域性や独自性が光るボタニカル(ジンの香りを作り上げるためのフルーツやハーブなどの素材)を1種類ずつ持ち寄り、互いの知見を共有しながら交流を深めつつ、瑞穂酒造主導でジンを仕込んだ。
製造されたオリジナルのクラフトジンは、瑞穂酒造がリリースしている「ORI-GiN 1848」の名を冠して、「ORI-GiN 1848 DistiRally NEXT」として5月以降に600本限定で発売される予定となっている。
輸出量は5年で約850倍に
国産のクラフトジンはここ数年で人気を博しており、新規のジンブランドや蒸留所が急激に増え続けている真っ最中だ。
その勢いは数字にも表れている。財務省貿易統計などによると、2021年のジンの輸出量は前年比で70%以上増という数値を叩き出しており、主要な酒類の中では数量・金額の伸び率はトップ。さらに、経年で見ると2016年には5キロリットルだったのが、21年には4,248キロリットルとなっており、この5年でおよそ850倍という急成長っぷりをみせている。
ただし国産ジンのシーンは起動し始めたばかりで、未だ発展途上でもある。そこで日本国内のジン・カルチャーを深化していくため、造り手同士の交流を通して、それぞれが切磋琢磨できるような環境を構築することを目的に、酒類専門メディアの「LiquorPage」と洋酒専門酒販店「株式会社千雅」が主催して企画されたのがDistiRally NEXTだ。
「DistiRally」は蒸留家を意味する“Disteller”と、集結を意味する“Rally”とを合わせた造語だという。プロジェクトは2020年に開始され、今回が3回目となる。2020年の第1回目は「辰巳蒸留所」(岐阜県)、2022年の2回目は「尾鈴蒸留所」(宮崎県)がホストを務めて行われた。
瑞穂主導で造る“プレミアム・エスニック”なジン
瑞穂酒造の製造部商品開発室室長の仲里彬さんは、今回製造するオリジナル・ジンのテーマについて、日本全国各地から様々な素材を集めていることから「“和”の雰囲気が漂うプレミアム・エスニック」と表現した。エスニックの要素は、バター製造の副産物である「バターミルク」と、熱帯地域原産の甘い香りがするハーブ「パンダンリーフ」の2つのボタニカルの組み合わにインスピレーションを得たもので、今回のジンのカギになるという。
「集まったボタニカルはオリエンタルな要素も非常にあるし、リッチな風味のものも多いので、沖縄のチャンプルー文化になぞらえて素材を混ぜ合わせた上でのジャパニーズの“プレミアム・エスニック”という言葉がキーワードとして浮かびました。バターミルクとパンダンリーフの組み合わせでエスニックな風味が醸される中、金柑やデコポンなどの日本らしい柑橘類と沖縄のピーチパインで骨格を作って、そこに様々なボタニカルがのるイメージです」