県内8島のラムシリーズ「 IE ISLAND RUM」で完結 「ここから新たなスタート」

 
ONERUM(ワンラム)の「Single Island Series」8本のボトル

 瑞穂酒造が主導する沖縄を拠点に新たなラム文化を創造するプロジェクト「ONERUM(ワンラム)」の伊江島産黒糖を使った「IE ISLAND RUM(イエアイランドラム)」がリリースされた。沖縄県内の8島で生産された黒糖を使い、それぞれの島のサトウキビと黒糖の個性を反映したラムを製造する「Single Island Series」は2021年7月の伊平屋島ラムから始まり、今回の伊江島ラムが第8弾でシリーズは一旦の完結を迎えた。
「発足から2年少しをかけて取り組んできて、感慨深いものがありますね。今回で8島全てのリリースを終えましたが、ここからまた新たなスタートでもあります」。製造部商品開発室室長の仲里彬さんはそう語り、現在着手している8島の黒糖をブレンドしたレギュラーボトルや、自社栽培のサトウキビを使ったボトルの開発など、今後の展開についてもビジョンを示した。

爽やかでクリーミーな味わい

ユリの花をあしらったデザインの「IE ISLAND RUM(イエアイランドラム)」

 伊江島産の黒糖を使用したイエアイランドラムは、青りんごやハーブのような清涼感のある香りに、ハチミツや乳製品のような甘く香ばしい風味が特徴で「シリーズの中で最もアルコール度数が高い48%ですが、それを感じさせない爽やかさとクリーミーさがあります」(仲里さん)。また、心地よい苦味も感じられるため、グレープフルーツなどビターな味わいの素材との相性が良いという。

 これまでのラムでは製造の際に板状の黒糖を使用していたが、イエアイランドラムでは粉黒糖を使用。これにより甘さや香ばしさが落ち着き、その奥にあるフルーティさやフレッシュな“青い”ニュアンスの香りを抽出して特徴を際立たせた。

 生産数は初回限定800本で、県内では瑞穂酒造・各酒販店で2月28日から、県外では3月7日から販売される。内容量は500mlで価格は税込み4,400円。ちなみに、これまでの7作はメーカー販売分は完売となっている。

“良いトコ取り”のブレンド、自社サトウキビの「アグリコール」

 各島の個性を生かしたSingle Island Series展開は今回のイエアイランドラムで8島をコンプリートしたが、今後は追加生産の要望がある島のボトルを優先的に再生産もしていく予定で、イベントでの販売を中心にランダムに展開していくという。

 8島全ての黒糖を使用して作る「Blended Island Series」は目下開発中で、夏前のリリースを目指す。このボトルでは個性的な黒糖をブレンドすることで調和させ、バランスの良い1本に仕上げて常時販売できるレギュラー商品として展開する予定だ。
 このボトルでは8島の原酒を混ぜ合わせるわけではなく、発酵段階からそれぞれの黒糖を風味別でカテゴライズした上で原酒を製造・ブレンドする。「それぞれのフレーバーをより良く生かす製法として、開発を今進めているところです」(仲里さん)

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