西表島ラムは軽やかな“フルフレーバー” ONERUM第7弾リリース

 
「ONERUM」シリーズの第7弾「IRIOMOTE ISLAND RUM」

 瑞穂酒造が主導して、沖縄を拠点に新しいラム文化を創造するプロジェクト「ONERUM(ワンラム)」「IRIOMOTE ISLAND RUM」が完成し、販売を開始する。西表島産のサトウキビから作られた黒糖を使用したラムの味わいは、焼き菓子のような甘く香ばしい風味に、桃、グレープフルーツのようなフルーツ香の他、レアチーズケーキ、ココナッツ等、クリーミーな風味も感じられるという。
 西表ラムは1月26日から瑞穂酒造や各酒販店で販売を開始する。限定800本で内容量500ml、価格は3,960円(税込)。今回のリリースは第7弾で、県内8島のサトウキビを使用して製造するラム・プロジェクトもいよいよ残すところあと1本となった。製造部商品開発室室長の仲里彬さんは「ワンラムシリーズの認知度が徐々に上がってきていることを実感しています。2021年の伊平屋島からスタートして、とうとう来月で8島コンプリートになります」と感慨を語った。

香ばしい風味を引き立てる蒸留方法

西表ラムについて説明する瑞穂酒造の仲里彬さん

 西表島産のサトウキビは、比較的古い品種の「Ni8」が生産されている比率が高く、独特のフレーバーが出るという。「ポリフェノールが多く、アイデンティティがしっかりしている黒糖だと感じます。特にクリーミーでバニラのようなニュアンスがある。Ni8を大事に作り続けていることが、島の風味をもたらす要因の1つになっているのではないかと思います」(仲里さん)。

 また、今回の西表ラムでは蒸留の方法をこれまでとは違った方法を採用したという。これまでのONERUMシリーズでは蒸留機内の気圧を下げて蒸留する「減圧蒸留」を採用し、口当たりが軽やかですっきりとした味わいに仕上げてきた。

 それに対し、今回は外気と蒸留機内の圧力を変えない「常圧蒸留」を行うことで原料の風味を活かす濃厚な酒質にした。「香ばしい風味を引き立てるために常圧という選択をしました」と仲里さん。ちなみに、ラムのスタンダードな蒸留方法は常圧蒸留だという。

新たな挑戦の中で先人たちの技術と財産を実感

 仕上がった西表ラムの特徴は、フルーティさもクリーミーさも兼ね備えた「フルフレーバー(=非常に豊かな香り)」で、なおかつすっきりした印象。仲里さんは「氷を入れることで黒糖の風味が広がり、1分単位で味が変化していくので、それを楽しむのも良いです。また、洋菓子に使えば“和”の要素をもたらすことができます」と説明した。

「色々な開発手法を重ねて、第7弾までたどり着きました」と振り返るのは瑞穂酒造の玉那覇美佐子社長。「それぞれの島の黒糖の特徴を活かすための探求を進めて、開発の勉強にもなりました。そうした中で、あらためて先人たちの泡盛造りの技術・財産の積み重ねを引き継いでいることを実感した思いです。これからもその財産を力強く伝えていきたいと考えています」と話した。

 沖縄県黒砂糖協同組合専務理事の西村真さんは「儀間真常が沖縄に黒糖作りを広めて今年で400年になります」とアニバーサリー・イヤーをアピール。「良質の黒糖ができており、ラムにすることでこれまでとは違った新しい面に光が当てられて、可能性が拓けてると感じています」と話した。

■関連リンク
濃厚で香り豊かな多良間ラム ONE RUM第6弾はサスティナブルな1本 ‖ HUB沖縄
波照間島産の黒糖ラムが完成 瑞穂酒造のフロンティアスピリッツが熱い ‖ HUB沖縄
沖縄をラムの聖地に 瑞穂酒造が「ONE RUM」プロジェクト始動 ‖ HUB沖縄

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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