24年卒の採用予定数「増加」がコロナ後で最高、採用意欲に高まり 求人おきなわ調べ
- 2023/1/27
- 経済
人材採用・雇用に関わるトータルサービスを提供する求人おきなわ(那覇市、山城正文社長)が、2024年3月に卒業する新規学卒者(大学・専門学校等)を対象とした採用活動について県内企業にアンケートを行い、結果を公表した。採用予定人数の見通しについて「増加」と答えた企業は26.0%となり、コロナ禍の直近4年間で最高の割合を示した。コロナ禍が落ち着きつつある中で採用意欲が高まっている傾向がうかがえる。
一方で求人の増加に伴い、採用活動の見通しでは「採用しにくくなる」が過去5年で最高の46.0%に達し、人材確保に向けた競争の激化を見通す声もあった。
調査期間は2022年11月14日~12月13日。WEBでアンケートを行い、50社から有効回答を得た。業種別では多い順にIT・情報通信(10社)、卸売・小売・流通(8社)、ホテル・旅行(7社)、金融・証券・保険(6社)、複合サービス(6社)と続いた。
増加の理由に「事業拡大」「人材育成が必要不可欠」
採用予定数に対する回答で最も多かったのは「前年並み」の58.0%がトップ。「増加」が26.0%と続き、「検討中(未定)」が12.0%、「減少」「前年は採用活動をしていない」はそれぞれ2.0%だった。増加と答えた理由としては「組織と人の成長発展の為に人材育成が必要不可欠のため(建設・不動産)」「事業拡大に伴い、新卒採用・中途採用に力を入れている為(サービス)」などの声があった。
過去10年のスパンで見ると、「増加」が最も大きな割合を示したのは2018年卒の45.2%。その他の年も20~40%台を維持していたが、コロナ禍に入った2021年卒からは18.5%、13.0%、13.3%と3年間にわたって低迷を続け、24年卒で4年ぶりに20%台に持ち直した。
採用基準では「前年並み」が72.0%で最も多く、「厳しくなる」が10.0%、「検討中(未定)」と「多様化する」が同じ8.0%となった。「厳しくなる」の理由では「求める人財像の採用に努めたい(ホテル・観光)」などが挙げられた。
対面コミュニケーションが再び活発化へ
採用活動の見通しについての質問では、割合が高い順に「採用しにくくなる」46.0%、「前年並み」40.0%、「採用しやすくなる」8.0%、「前年採用活動をしていないので分からない」6.0%と続いた。
「採用しにくくなる」と答えた企業はコロナ禍の22年卒は15.2%、23年卒の20.0%から大幅に増え、過去5年で最高となった。理由としては「コロナ禍で停滞していた業界求人が再開して、競争が激しくなってくると予想」「説明会参加者の人数が減少傾向にある為、様々な場面で新たな取り組みが必要」などが挙げられた。
一方で割合は少ないが、「採用しやすくなる」の理由では「対面での合同説明会が増えた。新型コロナに対応した採用活動に慣れてきた」との声もあり、リモートではない対面での採用活動が再開する動きを歓迎する向きもあった。
採用活動で新たに取り組みたいこと(取り組む予定)では「新たな取り組み(予定)がある」が前年のちょうど2倍となる40.0%に上り、広報の方法では「学校訪問、会社訪問を積極的に受け入れ。SNSツールを活用した広報活動の強化」、インターンシップに関しては「インターンシップをリモートから対面へ変更」などのコメントが並んだ。コロナによる行動制限が緩和されたことで、今後は従来の対面コミュニケーションがより活発化していくと見られる。