12月沖縄県有効求人倍率1.08倍 6カ月連続で「1倍」超

 
2022年12月の有効求人倍率を発表する沖縄労働局の西川昌登局長=31日、県庁

 沖縄労働局の西川昌登局長は31日、県庁で会見し、2022年12月の県内有効求人倍率(就業地別・季節調整値)が前月比0.02ポイント低下の1.08倍となり、雇用情勢の改善を示す基準となる「1倍」を6カ月連続で超えたと発表した。正社員有効求人倍率(原数値)は前年同月比0.16ポイント上昇の0.73倍で、就業地別で統計を開始した2005年2月以降、12月として過去最高を記録した。

 有効求人倍率は、ハローワークで仕事を探す1人当たりに何件の求人があるかを示す数値で、雇用や経済動向を判断する重要指標の一つ。

 原数値で見た月間有効求人数は、前年同月比22.4%増の3万2561人で、20カ月連続の増加。新規求人数は同16.1%増の1万738人となり、21カ月連続で増加し、2005年2月からの統計開始以降、12月として過去最高値を示した。

 正社員求人数は、前年同月比17.5%増で3987人。新規求人数に占める正社員求人の割合は37.1%で、同0.4ポイント上回った。

 一方で、月間有効求職者数(原数値)は前年同月比6.4%減の2万7522人となり、4カ月連続で減少。新規求職申込件数(原数値)も、同3.3%減の4333件で6カ月連続の減少となった。

 季節調整値で有効求人倍率が低下したことについて西川局長は会見で、原数値で見ると求人数は引き続き堅調に推移し、求職者は減少傾向が続いているとして「実体経済としては昨夏以降、堅調な状況を継続している」と分析した。

 また、正社員有効求人倍率が過去最高値を示したことについては「ここまで人手不足が続くと、しっかりと経営改革を進め、処遇を改善しないと人が集まらないということで、数字として表れてきたのではないか」との見解を示した。

 さらに、月間の有効求職者数がコロナ禍前の2019年12月(2万3823人)との比較で4000人程度多い現状についても触れ、さらに改善していく必要があるとも指摘した。

 県内のハローワーク別の有効求人倍率(就業地別)では、宮古が2.59倍、八重山が2.40倍、名護が1.52倍、那覇が1.08倍、沖縄が1.03倍で、いずれも前年を上回り1倍を超えた。その要因について同局は、全国旅行支援や修学旅行などの観光客の増加を背景に、宿泊・飲食業など観光関連産業を中心に求人が増加していることなどを挙げた。

 12月の雇用情勢は「求人が求職を上回り改善しているが、新型コロナウイルス感染症や物価上昇が雇用に与える影響に注意する必要がある」との判断を維持した。

 同日の会見では、有効求人倍率(就業地別・原数値)の暦年集計も発表し、22年の平均倍率は前年比0.18ポイント上昇し0.98倍で、3年ぶりに増加したことも明らかにした。コロナ禍前の2019年は1.34倍だった。

 また、県が同日発表した完全失業率(原数値)は、前年同月比0.1ポイント悪化の3.5%となった。完全失業者数は前年同月から2000人増加して2万8000人。

 季節調整値とは、毎年決まった時期に起こる事象や季節的特性などの動向を考慮し、その変動を取り除いて算出した値。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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