「第6波の中で経済を回す方法の模索を」 沖縄県飲食業生活衛生同業組合理事長・鈴木洋一さん

 
2021年の飲食業界を振り返る鈴木洋一さん

 2020年から継続して新型コロナウイルスの影響を直接受け続け、2021年も大きな打撃を受けた沖縄県内の飲食業界。2021年は緊急事態宣言やまん延防止措置などによる営業制限が続き、制限なしでまともに営業できたのは合計しても3ヶ月に満たない期間という状況だった。

 休業要請やアルコールの提供停止など、飲食業にとって“致命的”とも言える状態が続いたこの1年を県飲食業生活衛生同業組合の理事長を務める鈴木洋一さんに振り返ってもらった。
 2021年を振り返り、2022年の沖縄を見据える年越しインタビューの第3弾。

「まさか」の1年

 ―飲食関係の事業者にとっては2021年は大変な1年だったかと思います。

本当に『まさか』という1年でした。我々も少し油断していた面もあるかもしれませんが、こんなにも長引くとは全く思ってなかったという意味でです。今年は3月くらいしか1ヶ月まともに営業できた月はなかったですね。11月以降も何とかできている状況ではありますが。

 感染者が爆発的に増えていた夏頃はやはり『GoToトラベル』と『GoToイート』が拡大に拍車を掛けていた印象があります。きちんとしたデータがなくて因果関係が明確ではないんですが、やはり人流をみると一因にはなっていたと言えると思います。また、感染者数が800人とか超えてしまっていたので、やはり防止の取り組みが遅かったというのはあるでしょうね。

 出口戦略の面で時短営業や休業などの制限解除について、時期をきちんと示せなかったという点もありました。これは県の専門家会議での議論が医療畑に寄りすぎていたという部分があったかもしれません。経済関係者の意見も汲み取るべきだったと思います。

 組合としてはかなり早目に動いてはいました。協力金支援については、当初系列店も含めたグループごとだった給付形態を、店舗ごとに給付するよう要請しましたし、ワクチン接種も早い段階で組合員への接種を実施して感謝されました。

 ただ、全体通してみると行政支援が『飲食ばかり』という印象は残ってしまったように思います。コロナという初めての事態で各所対応に苦慮したにせよ、基幹産業と位置付けているにしては観光関係の事業者を対象とした救済措置は薄い感じがしました」

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2

関連記事

おすすめ記事

  1. 試合後の挨拶で声を詰まらせる琉球コラソンの東江正作監督=2月23日、那覇市の沖縄県立武道館(長嶺真…
  2.  公立大学法人名桜大学(名護市、砂川昌範学長)と、沖縄本島北部の新テーマパーク事業…
  3. 屋那覇島 2015年著者撮影  34歳の中国人女性が「私が買った」とSNSにアップしてから、…
  4. 沖縄本島北部の伊是名村に属する無人島・屋那覇島。周囲は浅瀬で、エメラルドグリーンの海が広がっている…
  5. 座間味島付近の上空で目撃された白い球体=2022年4月28日午前(山本拓海さん提供)  偵察…

特集記事

  1. 練習中も大会本番と変わらない気迫で形を打つ喜友名諒=2022年11月撮影  東京五輪で初採用…
  2. 下地島空港  今年1月、在沖米海兵隊が人道支援・災害救援を目的とした訓練のため宮古島市にある…
  3. OTS台北事務所の與那覇正雄所長=1月9日、台北市内  昨年6月に訪日観光客(インバウンド)…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ