沖縄の景気判断「回復している」維持  日銀那覇5月

 
日本銀行那覇支店

 日銀那覇支店(飯島浩太支店長)は12日、2023年5月の県内金融経済概況(主要指標は3月)を発表し、県内景気の判断を前月と同じ「回復している」で維持した。資源高による圧力を受けつつも、新型コロナの影響が緩和され、観光や消費などの需要回復が続いているという。飯島支店長は「景気が好調だったコロナ禍前の水準に、かなり近づいてきている」と述べた。

 個別項目では、公共投資の判断を「高めの水準で推移している」に引き上げた。個人消費は「緩やかに増加している」、観光は「回復している」の判断を据え置いた。

 公共投資では、「公共工事保証請負額」が防衛関連や病院関連の工事の増加を背景に、前年同月から54.9%増加した。2022年度は年度末に大幅な前年比増となり、2000年度以降のピークを2年連続で更新した。同支店は先行きについて「防衛関連の大型案件などを含んだ公共投資が見込まれる」と判断している。

 個人消費では、百貨店・スーパー販売額(全店舗)が、前年比11.0%増加した。清明祭などでオードブルの売れ行きがよく、食料品を中心に堅調な水準を維持しているという。

 観光では、主要ホテル客室稼働率(3月)が70.7%と前月の69.5%から上昇し、コロナ禍以降でピークだった昨年11月の70.3%を上回った。

 4月の速報値は63.1%で3月からは下落したが、全国旅行支援の延長が公表されるまでの間、新規予約が鈍かったことが主な背景で、4月後半には復調したという。インバウンド客も、3月からクルーズ船の寄港が再開したことなどから、着実に増えている。 

 このほか、8日からコロナの感染症法上の位置付けが5類へ移行されたことについて、同支店は「引き続き観光や消費などの需要を押し上げる方向に作用する」と予測している。先行きの県内経済については、資源高や物価上昇の影響を注意深く見ていく必要があるとしながらも、「回復が続くとみられる」の判断を維持した。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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