キングスCS準々決勝で先勝!名古屋Dに91ー85、13日勝てば準決勝へ

 
ファウルをもらいながらシュートを決め、吠えるジャック・クーリー=12日、沖縄アリーナ©Basketball News 2for1

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位)は12日、沖縄アリーナで名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(名古屋D、同3位)とチャンピオンシップ(CS)クオーターファイナル第1戦を行い、91ー85で勝利した。2戦先勝方式のため、13日午後6時5分から同アリーナで行う第2戦に勝利すればセミファイナル進出が決まる。

試合前には、ゴールの上に火が噴き出す派手な演出が見られた©Basketball News 2for1

 開始前のオープニングで両ゴールの上に火が噴き出すなど、レギュラーシーズンとは異なる迫力ある演出も見られた。試合内容も今シーズン3地区の中で最も激戦だった西地区の上位対決だけあって、最後まで1点を争う接戦となり、会場に詰め掛けた8,020人の観客を沸かせた。

今村が24得点と爆発 速い展開に苦戦も

 試合は、スタートからすぐに名古屋Dが得意とする速い展開に持ち込まれる。ドライブからのキックアウトや素早い攻守の切り替えからフリーをつくられ、スリーポイントを度々沈められた。第2Qには一時8点差までリードを広げられたが、このクオーターの終了間際に岸本隆一がハーフラインに近い位置からのロングスリーを決め、41ー44で折り返した。

 後半、前半の成功率が驚異の70%に上った名古屋Dのスリーを止めるため、ディフェンスの強度を高めた琉球。相手のシュートミスを誘うと、攻撃ではジャック・クーリーやアレン・ダーラムがオフェンスリバウンドを何度も奪取し、第3Qで逆転に成功した。

7本のスリーポイントを決めた今村佳太©Basketball News 2for1

 しかし、第4Qに相手がハイペースなバスケを取り戻すと、またも追う展開に。それでも残り4分を切った場面で今村佳太が同点のスリーを決めて80ー80。その後、岸本の攻守に渡る活躍で先行すると、最後は残り35.1秒でまたも今村が値千金のロングスリーを決め切り、5点差に広げて勝負を決めた。

 スリー7本を含むチームトップの24得点を挙げた今村は「今日は身体のコンディションも良く、しっかりマインドセットをして試合に挑めたことが結果を出せた要因だと思います。最後のシュートを自分に託してくれるチームメイトに感謝したいですし、託されたからには結果を出す事を意識して明日もプレーしたいと思います」と語り、自信の深さをうかがわせた。

リバウンドで42対27と圧倒

ゴール下のシュートを放つジャック・クーリー©Basketball News 2for1

 今村の活躍に加え、リバウンドで優位に立ったことも勝因の一つとなった。本数で42対27と圧倒し、特にオフェンスリバウンドは相手を7本上回る16本を奪取。セカンドチャンスポイントで26対13と相手を大きく上回った。

 18得点、11リバウンドと活躍したクーリーは「リバウンドの部分で、チームに貢献できたと思います。今日のようなフィジカルが必要な試合は特に自分の強みを活かせる試合だと思っています。しっかり体を休めて、また明日の試合に挑みたいと思います」と連勝でのクオーターファイナル突破に意欲を見せた。

課題はディフェンス「プラン通りできなかった」

記者会見で試合を振り返る桶谷大HC©Basketball News 2for1

 一方で、ディフェンスには課題が残った。キングスは平均失点がリーグで4番目に低い73.5点だが、リーグで2番目に高い85.4点の平均得点を誇る名古屋Dにその数字通りの85点を奪われた。その内、速攻からの得点を示すファストブレイクポイントは24点に上り、相手がやりたい速い展開を阻止し切れなかった。

 「今日の試合に勝てた事は良かったですが、プラン通りのディフェンスが出来ておらず、反省点が多い試合でした」と厳しい表情で振り返った桶谷大HCは「トランディションディフェンスや3Pシュートなど、やられてはいけないプレーにより劣勢になる部分があったので、明日はプラン通りのディフェンスを徹底したいと思います」と修正を誓った。


長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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