“ゴール欠乏症”に苦しむ沖縄SVが2連敗 髙原直泰監督が求める「最後の質」

 
前半開始早々、中央へドリブル突破してチャンスをつくる沖縄SVのMF佐田正舟=25日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(長嶺真輝撮影)

 サッカー日本フットボールリーグ(JFL)の沖縄SVは25日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで11位の東京武蔵野ユナイテッドFCと今季第12戦を行い、0ー3(前半0ー1、後半0ー2)と大敗して2連敗となった。

 通算成績は2勝8敗2分の勝ち点8、順位は最下位のまま。現在、通算得点が15チームで唯一、一桁台のわずか5得点にとどまる。深刻な“ゴール欠乏症”に苦しみ、白星が遠い。

勝負を分けた「ビッグチャンス」

左サイドからクロスを上げる

 まだ日が高い午後3時にキックオフした一戦は、気温約30度で湿度も高い厳しい状況下で行われた。

 試合開始直後、勝負を分ける一要素となる場面が訪れる。前半2分、MF佐田正舟が中央をドリブル突破し、右サイドを駆け上がったDF儀保幸英にパス。儀保がグラウンダーのクロスを送ると、再びボールはフリーの佐田の下へ。ペナルティエリア内中央から右足でダイレクトシュートを放つが、惜しくもクロスバーに弾かれて先制点とはならなかった。

 その後、前半16分に右サイドを崩され、クロスに合わされて失点。後半はハイプレスからゴールに迫る場面もあったが、得点までつながらない。過酷な環境下で追う展開となったSVは前に出ざるを得ない状況が続き、守備が手薄になってカウンターなどからさらに2点を奪われた。

 髙原直泰選手兼監督は初めのチャンスシーンを振り返り、「一発目で決まっていたら相手が前に出ざるを得なくなって、逆の展開になっていたと思います。ああいうビッグチャンスを決めきれないことはずっと課題。クロスも含めて、最後のクオリティーが上がってこない」と不満げに語った。

7月に5試合 中断期間の前に上へ

クロスに頭で合わせるFW髙原直泰選手兼監督

 後半途中に出場し、積極的に攻撃に絡んだDF松田麗矢もチームの課題について「やっぱり最後の質ですね。ゴールに直結するアシストの部分をもっと丁寧に。そこを大事にしていかないといけない」と自戒を込める。

 特に攻撃の軸となっているサイドからのクロスは、味方選手と相手GKの間に放り込むのが定石だが、球が浮いて反対サイドまで行ってしまったり、手前過ぎて簡単に跳ね返されてしまったりする場面が目立つ。

 7月に5試合を行った後、約1カ月間のリーグ中断期間に入るSV。「なんとか状況を打開するのが自分の役割」と修正を誓う髙原監督は「まわりのチームに比べて質の部分が圧倒的に低いけど、プレスを掛けたらまわりも連動して動くことなど、やる事は変わらない。7月の5試合で、少しでも上のチームに近付きたいです」と意気込んだ。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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