キングス、群雄割拠の西地区制して6連覇!CS準決勝までホーム開催に

 
西地区6連覇を決め、1千万円の賞金を手に集合写真を撮るキングスのメンバー=6日、広島サンプラザホール(琉球ゴールデンキングス提供)

 プロバスケットボールBリーグ西地区の琉球ゴールデンキングスは6日、広島県の広島サンプラザホールで今季第59戦を行い、同地区4位の広島ドラゴンフライズに78ー71で勝って西地区6連覇を決めた。全24チームの総合順位でレギュラーシーズン2位が確定し、8チームがトーナメント形式で年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)でクオーターファイナル、セミファイナルをホームで戦う権利を得た。

 11連勝となり、通算成績は48勝11敗。7日午後1時5分から同会場で行う広島戦がレギュラーシーズンの最終戦となる。

後半突き放す リバウンドで45対26と圧倒

昨シーズンまでキングスに所属したドウェイン・エバンスとマッチアップする松脇圭志(琉球ゴールデンキングス提供)

 試合開始から広島に激しいプレッシャーを掛けて効果的な守備を見せるが、オフェンスでは身長220cmのカイ・ソットを擁する広島の高さのあるゾーンディフェンスを攻めあぐねて得点が伸びない。特にスリーポイントが不調で15本中3本のみの成功にとどまり、接戦となった。

 しかし第3Qに入るとオフェンスが上向き始める。スムーズなボール回しから小野寺祥太や今村佳太がスリーを沈め、岸本隆一はこのクオーターだけで4アシストを記録。ディフェンスでは松脇圭志らが体を張り、強度を高く維持して逆転に成功した。

 第4Qはジョシュ・ダンカン、アレン・ダーラム、渡邉飛勇のビッグマン3人を同時にコートに送って高さにも真っ向から対抗し、最大13点までリードを広げたが、試合時間残り2分を切って6点差まで詰め寄られる。それでもこの土壇場で小野寺が厳しい体勢でレイアップを決め切り、勝負を決定付けた。試合を通し、リバウンド数で45対26と圧倒したことが最大の勝因となった。

 桶谷大ヘッドコーチ(HC)は「広島の高さのある選手が3人出た場面で、オフェンスが雑になってしまい苦しい展開となりました。ディフェンスで我慢しながら、粘り強く着いていけた事がよかったと思います。後半は修正し、こちらも高さで対抗し、流れをわたすことなく自分たちのゲームを最後までできたと思います」と振り返った。

桶谷HC「西1位が遠く感じることもあった」

ドライブを仕掛けるコー・フリッピン(琉球ゴールデンキングス提供)

 試合後にはコートで地区優勝セレモニーが開かれ、賞金1千万円が贈呈された。

 今シーズンは怪我からリハビリ中だった田代直希主将、牧隼利、渡邉が不在のまま開幕を迎えたキングス。パスを回してボールをシェアし、各選手がバランス良く得点を挙げるオフェンスを掲げたが、なかなか完成度が上がらず、負けが混む時期もあって1月には一時西地区4位まで順位を落とした。

 しかし、シーズン中に復帰した田代や牧の状態が上がり、今季新加入の松脇が徐々にチームにフィットしてくると強さが増した。それに比例して勝ち星が増え、残り4試合でついに地区首位に立ち、6連覇の偉業を達成した。今季の西地区はキングスを含む上位4チームがCSに進出し、東、中、西の中で最も激戦の地区となったため、価値のある連覇となった。

 昨年10月に始まった長いレギュラーシーズンを念頭に、桶谷HCは「西地区1位が遠く感じることもありましたが、キングスファンや球団スタッフ、沖縄県民の皆で勝ち取った西地区優勝だと思います」と喜びを語った。

CS初戦は西3位・名古屋D 沖縄アリーナで激突

2人に囲まれながら得点を狙うアレン・ダーラム(琉球ゴールデンキングス提供)

 この日の各カードの試合結果を受け、CSに進出する8チームの全組み合わせが決定。キングスは12~15日、西地区3位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと沖縄アリーナで初戦のクオーターファイナルを行う。

 勝ち上がった場合は、川崎ブレイブサンダース(中地区1位)と横浜ビー・コルセアーズ(同2位)の勝者と、20~23日に沖縄アリーナでセミファイナルを戦う。チャンピオンリングを争うファイナルは27~30日に横浜アリーナで行われる。CSはいずれのカードも2戦先勝方式。

 キングスは昨シーズン、初めてファイナルの舞台に進出したが、宇都宮ブレックスに2連敗して準優勝に終わった。悲願の初優勝に向け、岸本は「チャンピオンシップに向けてさらにチーム力を上げていきたいです」と力を込めた。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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