5年ぶりの“沖縄ダービー”はFC琉球に軍配 サッカー天皇杯予選決勝

 
後半2分、左足で押し込んで先制点を奪うFC琉球の野田隆之介主将(右)=7日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(長嶺真輝撮影)

 サッカーのタイムス杯争奪OFA第28回沖縄県選手権大会(兼天皇杯JFA第103回全日本選手権大会沖縄県予選大会)の決勝が7日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで行われ、J3のFC琉球が日本フットボールリーグ(JFL)の沖縄SVに2ー0(前半0ー0、後半2ー0)に勝利して頂点に立った。5年ぶりとなった“沖縄ダービー”を制したFC琉球が沖縄県代表の座を獲得し、今月21日午後1時から同スタジアムで行われる三菱自動車水島FC(岡山県代表)との天皇杯1回戦に臨む。

 琉球とSVの直接対決は、2018年に同じく天皇杯予選決勝で対戦して以来。当時は琉球が現在と同じJ3に所属し、九州リーグだったSVを4ー1と圧倒した。しかし、今回は琉球がJ2からJ3に降格し、SVが九州リーグからJFLに昇格してリーグの階層の差が一つのみとなった状態で迎えたため、好ゲームへの期待度が高く、多くのメディアが駆け付けた。雨天の中、864人の観客が見守った。

前半は双方に好機 スコアレスで折り返す

FC琉球の平松昇の直接フリーキックを壁をつくって防ぐ沖縄SVの選手たち

 先に流れをつかんだのは琉球だった。MF武沢一翔やMF森田凜らを中心に持ち前のポゼッションサッカーで相手の守備網の合間を縫い、押し込んでいく。プレッシャーをいなしてフリーを演出し、FW白井陽斗やMF岩本翔がコースを狙ったシュートでゴールに迫った。

 SVも負けじと守備を立て直し、時間の経過と共にボールが落ち着くようになると、MF佐田正舟やMF冨久田和真らを起点にしてサイドから攻め上がる場面が増え始める。すると素早い動きと体の強さがあるFW伊集院雷が存在感を発揮し、シュートやクロスで琉球ゴールを脅かした。

 ただ、両チームともネットを揺らすことはできず、スコアレスのまま前半を折り返した。

後半「風上」に立った琉球 野田主将が口火

後半18分、追加点を決めた白井陽斗(左)とアシストした岩本翔。ハイタッチで喜びを分かち合う

 迎えた後半。風上に立った琉球が試合を動かす。開始早々の2分、武沢の右クロスに反応したFW野田隆之介主将がデフェンスラインの裏に飛び出してダイレクトでシュート。一度はゴールキーパーに弾かれたが、自ら左足で押し込んで先制点を挙げた。

 さらに11分後、今度はMF岩本翔からの左クロスに白井が素早い動きで反応して追加点を奪った。

 今シーズン琉球に移籍してから初先発となった白井は、リーグ戦でチームが3勝5敗1分の13位と苦戦していることを念頭に「リーグ戦で勝てていなかったので、流れを変える試合だと思って結果だけを求めてプレーしました。ツートップの相方が先に決めて、『自分も決めたい』という思いもあったので、良かったです。チームの流れを変えられたかなと思います」とにこやかに語った。

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