リモート運動教室コーチは琉球コラソン選手!全国にファン拡大も

 

 PAPAMO株式会社(東京都)が運営するオンラインこども運動教室「へやすぽ」は、沖縄を本拠地とするハンドボール日本リーグの琉球コラソンと提携している。コラソンの選手らがインターネットの画面越しに全国の子どもたちに楽しく運動を教えるコーチとして活躍中だ。子どもたちにとってはプロのスポーツ選手から直接運動を教わる楽しさがあるだけではなく、琉球コラソンにとっても沖縄県内外へのファンの拡大や選手のキャリア支援など、両者にとってウィンウィンの関係を構築したビジネス提携となっている。

全国へのファン拡大にも寄与

 「へやすぽ」が目指すのは、運動が苦手だったり好きになれなかったりする子どもたちが、気軽に運動に取り組んでもらうことだ。教室は自宅などから週に1回の30分間。ゲーム要素を盛り込み、親子で楽しめる運動のミッションを一つ一つ進めていくことで、ゲームの主人公「カルロス」の冒険が前に進むなど、運動への苦手意識を感じさせない工夫が凝らされている。

琉球コラソンの依田純真選手(左)と今里和也選手=4月、浦添市

 「OK!上手上手!すごいね!」-。浦添市にある琉球コラソンの事務所ではこの日、パソコンを前に今里和也選手と依田純真選手が、画面の向こうの女の子に運動を教えながら明るく話しかけていた。相手を褒めながら元気よくコーチングする2人は、まさに“体操のお兄さん的存在”だ。今里選手が運動開始前「さて、僕たちは今、どこにいるでしょうか?ヒントは、南の暖かい島で、きれいな海に囲まれています」と話しかけるなど、コミュニケーションも欠かせない。

 両手両足含めた全身を屈伸させる動きや、母親の膝に足をかけて上り下りする動きなど、どんな子でも楽しめる運動メニューが組まれている。

 依田選手は「子どもたちが楽しんでくれると僕たちも楽しいですし、一番やりがいを感じています。オンラインで触れ合いながら、沖縄から全国へと琉球コラソンの知名度を上げて一緒に進んでいきたいです」と話す。実際に「へやすぽ」を通して琉球コラソンの選手と触れ合ったことで、子どもたちが試合の結果を気にかけるというような、新しい形でのファン層拡大にもつながっているという。

選手の人生キャリアの選択肢にも

 現在、コーチとして活動する琉球コラソンの選手は5人。PAPAMOが琉球コラソンと協働することになったのは、昨年12月に行われたイベント「アスティーダフェスベンチャーピッチ」で「琉球コラソン賞」を受賞したのがきっかけだった。

 プロスポーツ選手は、野球やサッカーなど一部の“メジャーなスポーツ”を除いて、競技以外の仕事で生計を立てている人も多い。さらに、試合や遠征のために休暇や勤務日程の調整が必須であることから、選手としての活動をサポートしてくれるような職場の理解も必要だ。

 そんな中、場所にとらわれないオンラインを駆使して、1回30分というスキマ時間を生かせる仕事は、選手たちの収入源の多様化につながる。また、スポーツ指導という分野で実績を積むことで、現役引退後のセカンドキャリアの選択肢が1つ増えることにもなる。

運動に自信で自己肯定感アップ

 「へやすぽ」誕生の背景には、近年の子どもたちの運動能力が著しく低下していることが挙げられる。

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