純利益総額2年連続前年割れ 沖縄県企業ランキング

 

 東京商工リサーチ沖縄支店は5日、2020年度(20年4月~21年3月)の県内法人企業利益ランキングを発表した。当期純利益(税引き後当期利益)が2000万円以上の企業数は前年度比2.1%減の1022社、利益総額は同14.1%減の1294億3715万円となり、2年連続で企業数、利益総額ともに前年度を下回る結果となった。

 業種別では、公共工事、民間工事ともに堅調だった建設が、利益総額、企業数ともにトップとなった。建設の利益総額は、前年度比27億258万円増の304億8951万円で5年連続1位。全体に占める割合は23.6%だった。企業数でも、同39社増の411社で初めて400社を超え過去最高となったほか、全体に占める割合でも40.2%で、初めて4割を超えた。

 同支店は、建設が好調な要因について、ホテルやスーパーなどの民間工事のほか、宮古島市総合庁舎やキャンプ・シュワブなどの公共大型工事を取り込んだことなどを挙げた。

 一方で、ホテルは新型コロナウイルスの感染拡大により、入域観光客数が減少した影響で、対象企業が前年度の14社から1社のみとなった。利益総額は前期26億952万円から25億1459万円減少し、9493万円となった。

 業種別の1社あたり平均利益額のトップは、スーパー・デパートなどの6億5779万円で、次いで、金融・保険・リース・クレジット・証券・信用保証の6億3914万円、3位はエネルギーの4億4674万円と続いた。最少はその他製造の6784万円。

 同支店の担当者は、21年度の見通しについて、新型コロナの影響による半導体不足や、世界的な資材不足での価格高騰などを踏まえ「利益を圧迫したり、売り上げが下がれば利益も減る可能性がある」と話した。

 最も利益が大きかったのは、3年連続で沖縄セルラー電話。次いで2位は沖縄電力、3位はサンエーなどとなった。

3年連続で沖縄県内企業利益ランキングトップとなった沖縄セルラー電話

 実質増益企業(伸び率0%を含む)は、前期黒字で今期も増益した企業(554社)と、前期赤字からランク入りした企業(103社)を合わせて、計657社だった。同ランキングは、東京商工リサーチ独自の調査に基づいて入手した数値をデータベース化、直近の決算数値を基に分析したもの。

(記事・写真 宮古毎日新聞)


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