沖縄の景況判断「回復」維持 日銀那覇8月

 
23年8月の県内金融経済概況について説明する日銀那覇支店の小島亮太支店長=10日、日銀那覇支店
23年8月の県内金融経済概況について説明する日銀那覇支店の小島亮太支店長=10日、日銀那覇支店

 日本銀行那覇支店(小島亮太支店長)はこのほど、2023年8月の県内金融経済概況(主要指数6月)を発表し、県内景気について「回復している」との判断を、5カ月連続で維持した。個別項目の判断もすべて据え置いた。同支店では「資源高による下押し圧力を受けつつも、感染症の影響が和らぐ下で、観光や消費をはじめ需要が回復する動きが続いている」と分析している。 

 項目別では、観光は「回復している」、個人消費が「緩やかに増加している」、公共投資は「高めの水準で推移している」、住宅投資は「弱めの動きとなっている」などとの判断を継続した。 

 百貨店・スーパー販売額(全店舗)は、前年同月から6.7%増となった。外出機会の増加を背景として、衣料品や服飾雑貨の売れ行きが良く、海外ブランドのアクセサリーやバッグなど高額商品の販売も好調だった。

 また、外食関連について同支店は「観光立地だけでなく県民が利用する立地の店舗も含めて需要が回復し、(コロナ禍前の)19年の水準まで戻ってきている」と指摘した。

 観光では、主要ホテルの客室稼働率が7月(速報値)は72.5%まで上昇。19年と比べ、約1割少ないレベルまで回復した。引き続き国内客が堅調で、新型コロナの感染症法上の分類が5類に引き下げられたことを契機に、企業のインセンティブ旅行など団体客の動きも活発化している。インバウンド客も徐々に回復しつつあり、免税品の売り上げが増加しているという。

 県内景気の先行きについて、同支店では前月に続き「回復が続くとみられる」との判断を維持した。

 小島支店長は、直近で襲来した台風6号の影響でホテルの予約にキャンセルが相次いだとの声が聞かれたとしながらも、「現時点では観光需要の回復は維持されているという認識」と述べた。

 また、「個人消費についても、雇用所得の改善が続く中で、行動制限下で積み上がってきた貯蓄に支えられたペントアップ需要もあって、基調としては緩やかな増加が続くとみている」とした。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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