「量」から「質」へ転換図る 沖縄県の観光振興計画案
- 2022/6/7
- 経済
沖縄県は6日、2022年度第1回県観光推進本部(会長・玉城デニー知事)を開き、31年度まで沖縄観光振興の基本的な指針となる「第6次県観光振興基本計画(案)」を承認した。新たな計画案では、これまでの量から質への方針転換を図るとともに、観光収入1.2兆円、宿泊人数4200万人(延べ数)を目指す。同計画案は、今月中を目途に最終決定となる見通し。
同計画案では、目指す将来像を「世界から選ばれる持続可能な観光地」に定め、沖縄が誇る自然や歴史、文化などのソフトパワーを最大限に活用しながら、県民と観光客、観光事業者のぞれぞれの満足度向上を目標に掲げた。
また、新たな目標値として、観光事業者の平均年収について、20代平均を現在の254万円から280万円、役職者平均を428万円から448万円に増加させることも加えた。
基本施策には▽安全・安心・快適でSDGsに適応したマネジメント▽多彩かつ質の高い観光に向けたDXの推進▽沖縄のソフトパワーを生かしたツーリズムの推進-を含む6項目を設定し、85項目の個別施策も定め、各種施策を推進する方針を示した。
さらに、成果指標(KPI)を設け、沖縄観光推進ロードマップ事業とビジットおきなわで、毎年度モニタリング調査を実施し、進捗(しんちょく)管理を行うという。
同本部会長の玉城知事は、計画案の特徴について「自然、歴史、文化など沖縄観光の持つ、本質的な価値を最大限活用しながら、持続可能な形で各種施策を推進していくことにある」と強調した。
県文化観光スポーツ部の宮城嗣吉部長は「観光と地域が共存、共生できるよう適切な観光地マネジメントにも取り組んでいきたい」との考えを示した。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)