オリオンビール新社長に村野一氏が就任「ヒット商品開発が一丁目一番地」
- 2021/12/1
- 経済
オリオンビールは、新たな社長として12月1日付でシェービング関連製品大手の「シック・ジャパン」前社長の村野一氏が就任したと発表した。同日午後に那覇市内のホテルで開かれた会見で、村野氏は「沖縄から、人を、場を、世界を笑顔にしたい。その上でヒット商品を作り出して、県内はもちろん日本や世界の皆さんが毎日飲みたいと思ってもらえるオリオンビールにしたい」と抱負を述べた。
海外市場開拓に意欲
会見で「メイク・オリオン・フェイマス、メイク・オキナワ・フェイマス」というフレーズを繰り返した村野氏。いちメーカーとして、消費者の琴線に触れる商品を生み出し「大ヒットさせるステージもっていくこと」を自身の大きなチャレンジとして位置付けていることを強調した。加えて「海外の市場は宝の山」と指摘し、台湾や中国、アメリカ、オーストラリアなどを見据えた海外への展開も視野に入れて「国際競争力を高めるためにも沖縄のさまざまなところと協力して事業を進めたい」とも語った。
オリオンビールは前社長の早瀬京鋳氏が今年6月に退任して以降、5ヶ月の間“空席”になっていた。
村野氏は1985年に「ソニー」に入社し、ユーゴスラビア、ドイツなどでの勤務を経て、1994年には当時最年少(31歳)でソニーハンガリーの社長に就任。次いでソニーメキシコの社長を務めた後に「リコー」に移籍し、カメラ部門の営業やマーケティング、商品企画を統括した。2015年からは出版社大手「デアゴスティーニ・ジャパン」の社長・アジア代表を兼務し、18年から「Schick」ブランドのシェービング関連製品大手「シック・ジャパン」社長を務めていた。
初の女性取締役も就任
社長就任のきっかけの1つとして「沖縄に住むのが夢だった」と説明した村野氏は、来年が復帰50年というタイミングであることも踏まえて「誇りであり使命であると感じている。節目の時期に沖縄に来れたことを喜び半分、身の引き締まる思い半分で受け止めている」と就任の所感を話した。
報道陣からの質疑応答では新規株式公開(IPO)のタイムスケジュールについては中期経営計画に変更はなく、2024年中の実現を目指すことで変わりないことが示された。内閣府が推し進めている酒税軽減措置については、亀田浩専務が応答し「延長ができるかどうかが決まっていない現段階ではコメントを控えたい」と述べるに留めた。
また、オリオンビールの新たな社外取締役に「日本マクドナルド」上席執行役員CMOのズナイデン房子氏が就任したことも発表された。
ズナイデン氏はオリオンビールが「競合各社には真似のできない個性を放っており、日本中へ、ひいては世界へ羽ばたく、大きな可能性を秘めている」とした上で、「オリオンビール社の企業価値の持続的な向上に貢献できればと願っています」とコメントを寄せた。