沖縄景気判断「持ち直しの動き」維持 日銀那覇6月

 
2022年6月県内金融経済概況を発表する日本銀行那覇支店の飯島浩太支店長=10日、日銀那覇支店(那覇市)

 日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)は10日、2022年6月の県内金融経済概況(主要指標は4月)を発表した。県内景気は「厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる」との判断を3カ月連続で維持した。先行きも同様に据え置き「厳しい状況が続くものの、感染症の影響が和らいでいけば、持ち直していくとみられる」とした。

 同支店は、景気判断を維持した理由について、県内景況は月ごとに改善してきているものの、現状は改善途上で、持ち直しの動きがまだはっきりしないことなどを挙げた。

 各項目別の判断では、雇用・所得で、18カ月連続して判断を据え置いていた「ひと頃に比べて悪化している」から「改善の動きがみられるが、全体としてはなお弱めとなっている」に判断を引き上げ、20年3月以来で「改善」の表現を用いた。その他の項目については判断を据え置いた。

 観光では、4月の主要ホテルの客室稼働率が45.2%となり前年同月比で17.1ポイント上昇した。また、5月の稼働率(速報値)も45.4%で回復傾向を示している。飯島支店長は、宿泊事業者への聞き取りで「夏休みなどの予約はかなり入ってきているとの声が聞かれている」と説明した。

 また、インバウンドの受け入れ再開については「インバウンドの回復が景気を加速させる一つの材料になる。円安は需要を押し上げる側面もある」と期待感を示した。

 一方、消費者物価指数では、値動きの大きな生鮮食品を除いた総合指数の上昇率が、県内では前年同月比2.6%となり、全国の同2.1%を上回った。飯島支店長は、物価上昇はエネルギーと食糧価格上昇が要因とした上で、「個々の品目の伸び率は、全国と比べても変わらないが、エネルギーと食糧が消費に占める割合が沖縄の方が大きい」と分析した。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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