沖縄観光の早期復興を 観光事業者が県議会に経済的支援要請

 

 沖縄県内の観光事業団体で構成する「沖縄ツーリズム産業団体協議会」のメンバーが6月13日、県議会の赤嶺昇議長に沖縄観光の早期復興のための支援要請を行い、要請書を手交した。観光業界は新型コロナウイルスの影響で2年以上に及ぶ人流抑制で大打撃を受け、かなり厳しい状況にあるものの、事業者に対する行政からの支援はほとんど無く、同協議会はこれまでも繰り返し支援を要請してきた。

 協議会の会長を務める沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「観光を“リーディング産業”と位置付けている県として、何をいつまでにどうできるかということを具体的に示してほしい」と強く訴えた。

経営支援、レンタカー不足対策など7項目

 要請文では「アフターコロナを見据え、本県観光産業の維持、事業継続が県経済の回復に繋がる」として、以下の7項目を求めた。

①観光事業者への経営支援
②レンタカー不足による旅行キャンセルの抑制
③「沖縄県観光振興基金」を活用した課題解決事業の提案
④全国版GoToトラベル事業の早期再開
⑤那覇空港等国際線早期再開
⑥教育旅行実施予定校への充実サポートの早期実施
⑦人材の確保・育成

 ①は、具体的に経営規模や損失額に応じた直接補助政策に言及し、国への働きかけと県独自の支援策を講じることを提案している。②のレンタカー不足では、保有台数を減らさざるを得なくなったことで予約が取りづらくなった現状について「旅行先の方面変更による機会損失」の恐れがあると指摘し、バスやタクシーなどを活用した施策の実施を求めた。

 また、コロナ禍で流出に歯止めがかからない⑦の人材については、「人材不足が深刻な問題」となっていることに強い危機感を示し、これからピークを迎える夏場に向けた短期的な対策に加えて、将来的な中長期対策も踏まえて観光部局に限らず、商工労働部などと連携した人材不足改善と育成のための施策を要請している。

「苦境を乗り越えるのに躍起」

 下地会長は「既に人出が戻り始めてはいるが、依然として非常に厳しい状況。これからが復興に向けての大事な時期になるため、沖縄として観光業界の何をいつまでにどのように支援できるか、具体的に示していただきたい」と強調した。

 要請に参加した全国旅行業協会沖縄支部の與座嘉博支部長は、県内の旅行需要喚起のため今月末まで実施されている「おきなわ彩発見キャンペーン」について触れた。「県内の登録事業者が30%にとどまっており、『やっても意味がない』という声も聞いています」と厳しく指摘し、県内での展開では利用数に限界があることから、全国の旅行者を呼び込む施策の早期取り組みを求めた。

 沖縄県バス協会の小川吾吉会長は「バス業界は苦境を乗り越えるのに躍起になっている状況です」と窮状を訴えた。「沖縄から修学旅行が逃げているし、バスガイドも不足しています」と現状を説明して、「これから夏場を迎えるにあたって、今から真水を与える必要があります」と話した。

 赤嶺議長は「この2年半の観光業界の厳しい状況については、県だけでなく議会の責任もある」と受け止めた。
 その上で「国の政策に乗っかるだけでなく、具体的にどうバックアップしていくのかという議論は当然していかなければならないと考えている」とし、「彩発見」のような需要喚起策だけでなく受け入れ体制を整えることも含めて、自身も委員に入っている経済労働委員会で議論することを約束した。

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真栄城 潤一

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1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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