伊波洋一氏が政策発表 経済再生重点に 参院選沖縄選挙区

 

 7月10日に予定される参議院議員選挙沖縄選挙区に立候補を表明している現職の伊波洋一氏(70)=無所属=が6月13日、那覇市のホテルコレクティブで政策発表を行った。新型コロナの影響からの経済再生を最重要政策の一つに掲げ、観光関連産業や飲食業への支援をきっかけに県経済全体の再興を目指すとした。また、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対を貫き、自民系の予定候補が辺野古移設への容認を掲げる中で一つの争点を浮き彫りにした。
 政策発表には「オール沖縄」勢力の国会議員や県議を含めた支持者らが集結。玉城デニー沖縄県知事もあいさつに訪れ、支援を呼び掛けた。

大きく10の政策

 伊波氏は2016年の参院選に初当選を果たし、当時の糸数慶子参議と共に会派「沖縄の会」を結成。「沖縄(ウチナー)の声を国会へ!」をスローガンに活動している。

 伊波氏は大きく、以下の10の政策を柱に掲げた。
①復帰50年-「建議書」に込められた平和で豊かな沖縄の実現
②新型コロナからの経済社会再生
③県民所得向上/産業振興と雇用の創出・質の改善
④都市部との均衡ある北部振興・離島振興
⑤子どもの貧困対策/多岐にわたる支援を拡充
⑥安定的な社会保障制度の構築/沖縄社会の課題解決
⑦ジェンダー平等・多様性が尊重される社会を実現
⑧世界に誇る自然環境を守る/持続可能なウチナーへ
⑨人材育成 教育費・保育費の無償化
⑩辺野古新基地反対 基地のない平和な沖縄へ
 ・県民の命の水を守る
 ・日米地位協定の抜本改定
 ・二度と沖縄を戦場にしない

消費税5%、均衡ある県土発展など言及

 コロナ禍からの経済回復については、観光関連産業や飲食業などに対する支援金・助成金の支給延長や、消費税を時限的に5%に引き下げる策を掲げた。また、県民所得向上に関連して、自立型経済の構築に向け、DXやイノベーションなどで“稼ぐ力”の強化や、最低時給を1000円以上に引き上げることを目指す。鉄軌道を含む公共交通の整備で産業振興につなげる。

 均衡ある県土発展については、移動や物流にかかるコスト低減で、本島北部や離島部の不利性を解消すると共に、環境と調和した持続可能な観光業、農畜産業、漁業を支援し、バランスの取れた地域振興を図るとした。また、北部の大学への薬学部新設や国立自然史博物館の誘致にも努める。

 政策にはさらに、自然環境を守り景観回復に取り組むことや、教育投資を「ナショナルミニマム」(国家が国民に保障する最低限の生活水準)として進めること、子どもの貧困問題の根本解決なども盛り込んだ。

 米軍基地問題については「普天間基地閉鎖撤去」「辺野古新基地反対」「オスプレイ配備撤回」の3つを掲げ、「オール沖縄」勢力がかねてから訴え続ける内容に沿った形だ。「沖縄戦と米軍統治を経験し、復帰から50年が経過した現在も基地問題に苦しむ沖縄だからこそ、専守防衛を踏み越えるような膨大な軍備拡大は認められません」と、軍事力に主眼を置いた安全保障政策に異を唱え、南西諸島への自衛隊ミサイル配備への反対や、核兵器の廃絶なども明確に主張した。

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