参院選沖縄選挙区予定候補・伊波氏インタビュー 思いや政策は?

 
※撮影時のみマスクを外しています

 7月10日に投開票が行われる参議院議員選挙。選挙イヤーである今年行われる国政選挙は、9月の沖縄県知事選と合わせて沖縄全島を巻き込む大型選挙だ。沖縄選挙区に立候補を表明し1議席を争うのは現時点で、「オール沖縄」勢力で無所属現職・伊波洋一氏(70)と、元総務官僚で自民公認、公明推薦の新人・古謝玄太氏(38)の2人。復帰からちょうど半世紀を迎えた今年、沖縄の有権者はどのような審判を下すのか。
 HUB沖縄では予定候補者の2人にインタビューを実施。本記事では伊波氏に出馬を決意した理由や注力する政策などを聞いた。

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参院選沖縄選挙区予定候補・古謝氏インタビュー 思いや政策は? | HUB沖縄

-2期目を目指して出馬を決断した経緯を教えてください。

「この6年間、参議院で『沖縄の声』を訴えて続けてきました。さまざまな社会課題について、国政の場から対策が実現したこともあって、そのことが極めて有効だという実感を持っています。しかし、主要な課題である辺野古新基地建設をはじめとした多くの課題について、未だ道半ばであるという思いがあります。2期目の当選をしっかり実現して、引き続き多くの声を伝えながら、参議院での有効な活動を行っていきたいというのが率直な思いです」

「新型コロナの感染まん延で、以前は年間1000万人以上も観光客がいたのにも関わらず、現在では約300万人になっています。インバウンドについては(国際線の運休という点で)ゼロになってしまいました。絶対に観光業を回復させなければと思っています。また、沖縄県内の米軍基地を取り巻く状況はますます厳しくなっています。加えて、沖縄県が5月に決定した『新・沖縄21世紀ビジョン基本計画』の実現に向けて、私たちも国政の場から応援していきたいです」

-さらに遡って、政治を志した原点とは何ですか。

「1970年代当時は公害問題が深刻な時代で、私自身も大学で理工学部を卒業していたこともあり、最初は公害対策の担当として74年に宜野湾市役所に入りました。労働組合運動にも関わり、基地問題などの解決に向けて活動していく中で、県議への立候補者として私に白羽の矢を立ててもらったのが一番大きな理由です」

-自民系の対立候補である古謝さんは「新5K経済」と銘打った新たな経済政策を打ち出しています。それに対する伊波さんの経済政策の強みを教えてください。

「私としては『一般の県民の手の届く話』としての経済振興をイメージしています。つまり、今疲弊している経済の回復です。直接的に言うと、沖縄の観光産業ですね。観光産業は、交通や宿泊施設、飲食関係など、波及する経済効果が極めて大きいです。年間約1000万人が訪れて、仮に2泊していったとしたら、2000万泊ですから。いろんな産業分野の需要が喚起されます。観光だけではなくて、建築業や農業・漁業も含めた、現状として困っている産業の振興を一義的には目指していきます」

「その上で新しい産業のあり様を考えていくと、例えば『ザル経済』と言われてきた公共投資の在り方を、県内で経済が循環するものに変えていきたいです。沖縄の業者には発注実績がないため、入札資格すら無いことが多いです。従来よりは沖縄にお金が残るように、歩留まりを高めていきたいです」

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