参院選沖縄選挙区予定候補・伊波氏インタビュー 思いや政策は?

 

-自衛隊の「南西諸島シフト」についても国会で多く質問しています。安全保障についてはどのようにお考えですか。

「日本にとっての安全保障とは『戦争をしないこと』だと思うんですね。敵を作らないということです。私はやはり、今の中国と敵対してはならないと思います。アメリカの代わりに日本が最前線で中国と敵対しているというようなイメージを作っている今の安全保障の考え方に対しては、否定的です。軍事の守りで安全保障を実現するのは極めて危ないやり方で、外交交渉や互いの信頼によって実現すべきです。日中間では1972年に『日中共同声明』が、1978年に『日中平和友好条約』がなされています。互いに武力で相手を脅したり戦争をしたりしないという合意です。その当時は日本のGDPは中国の何倍もあったわけですが、今は中国が日本の約4倍です。軍事力については5倍以上です。そのような大国と『戦争をしない』という条約を結んでいる優位性を活かすべきです。尖閣問題は両国の主張の違いがありますが、両国は尖閣問題があることを前提に棚上げした上で日中共同声明が出来上がっているわけです。原点に立ち戻るべきです」

-「オール沖縄」勢力として、保守層をどのように取り込めるのかも鍵になるかと思います。

「翁長雄志元知事が亡くなられて、保守側の部分がオール沖縄に十分に入り切れていない状況はあります。もともとは企業関係も一緒になってやってきた思いがあります。しかし、県民全体の思いとしての『オール沖縄』という意味では、強固に存在していると思っています。もう政界を引退した県内の元自民党のみなさんは、意外とオール沖縄にシンパシーを寄せています。一度オール沖縄に入った人たちが、今の自民党を応援しようという流れはないと感じています」

伊波洋一(いは・よういち)
1974年に宜野湾市役所に入職、市職労委員長などを務めた後、沖縄県議会議員2期、宜野湾市長2期を経て、2016年から現職。普天間高校、琉球大学理工学部卒。1952年、宜野湾村(現宜野湾市)生まれ。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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