【参院選】「三日攻防」突入 伊波氏、古謝氏とも大票田那覇に重点 沖縄選挙区

 

 参議院議員選挙は7月10日の投開票日が3日後に迫った。沖縄選挙区では無所属現職の伊波洋一氏(70)と、自民新人で公明推薦の古謝玄太氏(38)の2氏がデッドヒートを繰り広げたまま、いわゆる「三日攻防」に突入。7日は2氏とも大票田である県都・那覇市を中心に各地で演説を行い、無党派層を中心とした票の掘り起こしに躍起になっている。

 「三日攻防」は選挙戦最終盤の3日間で激しい票取り合戦を指す言葉で、沖縄県内だけで使用される用語だ。

物価高騰、基地問題で主張に力 伊波氏

 伊波氏は那覇市真嘉比の住宅街で三日攻防初日の第一声を迎えた。「県民の暮らしや経済を守っていく」と切り出し、物価高騰が続いている現状について「家計が厳しい状況は年末まで続くかもしれない。消費税5%への減税を強く政府に求めていきます」と主張した。 

 学校給食の無償化や子育て環境の充実などを通した子どもの貧困対策に触れ、最後に訴えたのは米軍基地問題。普天間飛行場の名護市辺野古移設について「民意に沿って反対し、断念をさせていく。普天間を閉鎖、返還し、跡地利用に繋げていくことが、沖縄経済の発展に結び付くことだと確認している」と力を込めた。

 伊波氏が那覇市内の各地域を細やかに回って遊説を続ける一方、陣営は連日、早朝と夕方に那覇市で人通りの多い交差点や施設前を中心に手振りや応援演説を行い、支持の拡大を狙う。

ICT基盤整備で地域振興 古謝氏

 古謝氏はこの日、衆議院議員で自民党広報本部長の河野太郎氏と共に那覇市内を演説して回った。サンエー那覇メインプレイス前の交差点でマイクを握った古謝氏。コロナ禍がもたらした沖縄経済へのダメージを「ピンチはチャンスでもあります」と捉えつつ、リモートワークが一般に浸透した社会情勢を踏まえて「ICT基盤を整備することによって、離島や過疎地域でも仕事をすることができます」と、移住促進や起業活性への方策を訴えた。

 応援演説で河野氏は「テレワークを通して沖縄の社会経済を活性化していく投資を、政府としてもしっかりとやっていきたい」と後押しした。8日には菅義偉前首相が、9日には茂木敏充幹事長がそれぞれ再び沖縄入りするなど、選挙戦終盤まで継続的に自民党の“大物政治家”が支援に回る。

 沖縄選挙区では伊波氏、古謝氏の他に、NHK党新人の山本圭氏(42)、参政党新人の河野禎史氏(48)、幸福実現党新人の金城竜郎氏(58)がそれぞれ立候補しており、支持の拡大を図っている。


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