「沖縄に来てください」知事はメッセージ発信を! 夏場目前の沖縄観光に必要な事とは 沖縄ツーリスト東会長に聞く

 
沖縄観光の現状や今後の課題についてインタビューに応える沖縄ツーリストの東良和会長=那覇市松尾の同社本店

 コロナ禍が猛威を震い始めて2年余り。人流の極端な減少により、沖縄のリーディング産業である観光業は大きなダメージを受けた。今年5月には、県内の観光関連事業者がコロナ禍の自粛要請に伴う協力金の支給を県に求めるため、異例の総決起集会を県庁前で開催。代表発起人の1人である県内旅行会社大手の沖縄ツーリスト(OTS、那覇市)の東良和会長は、誘客の復活に向けて「県知事が『沖縄に来てください』というメッセージを出すことが必要だと思います」と指摘する。業界の現状や今後の課題を聞いた。

旅行部の取扱高が約1割に激減

ーーー2年前コロナ禍に入り、御社の事業にはどのような影響が出ましたか。

 「旅行部の取扱高はそれまでの1割ほどになりました。全体の70%くらいが県外から沖縄に来る方からの売上でしたが、一気に落ち込み、相当なショックでした。旅行部全体の取扱高で言えば2019年は225億円で、20年は48億円。弊社は1~12月の期間での決算ですので、20年はまだ1月と2月の売り上げがありましたが、21年は27億円にまで落ちました」

ーーーレンタカー事業についてはどうでしょうか。

 「レンタカー部の売上高は2019年で44億円だったのが、20年は9億7千万円、21年は6億6千万円です。資産の売却で銀行からの借入額はそこまで変わりませんが、累積赤字が増えています。大きな規模で経営していたら、その分大きなカウンターパンチを食らった格好です。こういう状態が2年間続いている。悲惨ですよ」

ーーー固定費がかさむ中、自社としてどのような経営努力をしてきたのでしょうか。

 「レンタカーがあるのでリース代がかかる。あと人件費。固定費ではこの2つが圧倒的に大きい。これまで土地や建物といった資産の売却をしてきました。あとは社員の休業体制をつくって、沖縄の企業としては一番最初に雇用調整助成金を活用しました。でも私たちの事業規模からすると、持続化給付金も含めて雀の涙くらいにしかならない。もちろん貰えることはありがたいですが。だからこそ、時短協力金が貰える飲食業が羨ましいですよね」

県が支援動き出す 決起集会受け

県に支援を求め、気勢を揚げる観光事業者たち。前列右から2番目が東会長=5月10日、那覇市の県庁前

ーーー観光業への支援を求める決起集会でも話が出ていましたが、飲食業は時短協力金などの予算措置があるのに対し、観光業にはこれまで県の支援がなかった。県にはどのようなことを求めてきたのでしょうか。

 「真水の支援をお願いしたいと言ってきました。以前GoToトラベルがありましたが、もう1年半も制度が動いていない。県内で需要喚起をしても人口が限られているので、本土からの誘客が大半を占める私たちのような旅行会社からしたら死活問題です。そういうところへの支援策がこれまで皆無でした。観光は本土や海外からの外貨を稼いで、県内で多くの雇用も生んできました。『その産業を育てなくて、何を育てるんですか?』という思いです」

ーーー決起集会後に県の対応に変化はありましたか。

 「動きは出てきています。観光事業者に対する支援の予算をつくろうということで、事前の調査やヒヤリングをしてくれています。先日知事と面談をして、知事はようやく観光事業者が取り残されていることに気付いたと思います。県に経済を総合的に司る司令塔が不在で、これまで本当のことが上まで届いていなかったのだと感じます。いずれにしろ、動いてくれることはありがたいし、私たちの決起集会は非常に意味があった。ただ、これからが大変です。10年、20年をかけて借金を返すため、いろんな策を打ち出さないといけない」

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