「沖縄に来てください」知事はメッセージ発信を! 夏場目前の沖縄観光に必要な事とは 沖縄ツーリスト東会長に聞く

 

知事は「観光客を歓迎してます」という姿勢を

沖縄県庁

ーーー観光のピークとなる夏場は目前です。誘客に向けて必要な事は何でしょうか。

 「一番やらないといけないのは、トップのメッセージでしょう。多くの人が『自分たちが行ったら沖縄の人に迷惑を掛けてしまうかな』と思っているんです。安心、安全の判断は個々の観光客がします。難しい条件は出さず、県知事が『沖縄は観光が1番の産業だから来てください』『沖縄はいつも観光客を歓迎しています』という姿勢を見せることが大事だと思います」

ーーー事業者が疲弊している中、県内の受け入れ体制はいかがでしょうか。

 「まず既に顕在化しているのは、レンタカー不足です。夏休みのレンタカーを探し回っている人も多くいます。あともう一つは人手不足。ホテルの清掃スタッフやバスガイドさんは、コロナ禍で仕事がないからどんどん辞めてしまっている。東京や大阪でも旅行会社の人が辞めてしまい、セールスマンがいない。大きな団体旅行は扱うかもしれないけど、少人数旅行は営業をかける人がいないと厳しいですね」

ー今後10年間の沖縄観光の基本方針となる県の第6次観光振興基本計画で、これまで指標としていた「入域観光客数」から、延べ宿泊者数を示す「人泊数」にシフトする見通しです。「量」から「質」に転換する狙いですが、どのように評価していますか。

 「人泊ベースにするというのは、第5次計画の頃から私が出しているアイデアです。頭数を重視すると観光の質が落ちてしまい、オーバーツーリズムの温床にもなります。今は県外の空港から沖縄の空港に飛ぶ飛行機の搭乗者数から観光客数を割り出しているため、例えば那覇の人が飛行機を使って石垣や宮古のリゾートホテルに泊まっても、観光客には数えられていません。でも現地でお金を消費していますし、立派な観光です。延べ宿泊者数が把握できれば、どの地域にホテルが足りないのか、多過ぎるのかなど、より実態に即した現状が分かるので、的確な対策が打てるようになると思います」

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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