琉球の甘みを楽しむ「那覇三大まんじゅう」

 
のまんじゅう
赤い食紅で大きく描かれた「の」

 沖縄には、他府県とは明らかに様相の異なる伝統菓子がいくつも存在するが、まんじゅう一つをとっても歴史あり特徴ありで興味深い。そこで今回は、「那覇三大まんじゅう」または「沖縄三大まんじゅう」とも言われる沖縄を代表する3つの老舗まんじゅうを紹介しよう。
 これからの新年度お祝いシーズンに向け、贈り物の参考になってもらえれば幸いだ。

見た目のインパクト大「儀保まんじゅう」

 まずは見た目のインパクトでもよく知られている「儀保まんじゅう」だ。

「のーまんじゅう」としての方が認知度は高いのかもしれないが、沖縄県民なら一度は目にしたことがあるだろう。大きな白いまんじゅうの皮上に、赤い文字で大きく「の」と書かれたまんじゅうだ。

 この、のーまんじゅうの正式名が「儀保まんじゅう」なのだ。元々は、以前にもお伝えした首里12ヶ所の一つである儀保の盛光寺の境内にてこのまんじゅうを販売していた。盛光寺の寺院建て替えに伴い、儀保から現在の店舗がある首里久場川、首里リウボウの裏手あたりに引越し、現在も変わらずのーまんじゅうを提供している。

 ところで、のーまんじゅうに書かれている「の」の文字の意味はご存知だろうか?

 実はこの「の」、熨斗の「の」と言われている。お祝いや行事ごとが多い沖縄で、贈答用に付ける熨斗をまんじゅう自体に書いてしまったのだ。しかも、漢字ではなく平仮名の「の」という単純明快さ!逆に何も書かれていない素の白いまんじゅうは、法事用として買い求められる。だから購入する際には、都度確認のため「”の”は書きますか?」と聞いてくれるのだ。

 自分のためだけにその場で「の」を描いてくれる、ちょっとした特別感を味わえる瞬間である。近年では現代風アレンジとして、バレンタインシーズンには「の」の代わりに「♡」を描いてくれたりするお茶目なサービスも展開中だ。

120年の老舗「山城まんじゅう」

 首里にある「山城まんじゅう」は120年の歴史がある老舗のまんじゅう屋さんだ。

 のーまんじゅうと比べてボリューム感はやや抑えられているのだが、薄皮越しに透けて見えるほど餡がギュッと詰まっている。甘さも控え目で、甘いものが苦手な方にも楽しんでもらえるまんじゅうだろう。

山城まんじゅう
山城まんじゅうは餡が透けて見えるほどの詰まり具合
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