元泡盛の女王3人が激烈推薦!今なら言える「この銘柄のこの飲み方が美味い!」

 

 沖縄のお酒・泡盛。シャム国(現在のタイ)から14~15世紀ごろに伝えられた蒸留技術やタイ米、甕(かめ)に、黒麹菌が組み合わさったことにより、琉球諸島で泡盛が誕生したと言われている。

 酒類の消費ニーズの多様化などが相まって、2004年をピークに泡盛の出荷量は減少傾向にあるが、それでも「島酒」との呼称で県民アイデンティティの拠り所にもなり、観光客を楽しませる文化資源ともなっていると言える。

 今回は、県内外に泡盛の魅力を伝える「泡盛の女王」を2014年に努めた平良香織さん、福島知加さん、古謝わかなさんの3人に「この泡盛のこの飲み方が美味い!」を存分に教えてもらいながら、今だから言える女王裏話も聞かせてもらった。

福島さん 米島酒造「美ら蛍30度」炭酸割り

 「私は完全に炭酸割りです」

 と、自らのスタイルを確立し切っている福島さん。

 炭酸水と今回混ざり合うのは、米島酒造の「美ら蛍」

 「クセが本当になくて、美味しくて」と、もう虜だ。美ら蛍と出会ったのは那覇市内の会員制バーだった。泡盛を知り尽くすマスターから、美味しいお酒があると紹介されて以来、ハマったのだという。ハマりすぎて、久米島にある酒造所まではるばる買いに行ったほどだ。

 ボトルデザインがかわいらしくて高級感があるのも、お気に入りポイントだ。

 いつもの割合は、泡盛:炭酸水=3:7。

 この日は事情があって実際には飲めなかったが「これ美味しすぎてずっと飲めるんですよ。朝起きてすぐ飲めちゃう。危ないぐらい」

 とにかく福島さんは、泡盛界のサラブレッドだ。実家は酒屋さん。「生まれた瞬間から一升瓶に囲まれて育った」という。泡盛が棚にズラリと並ぶ様は、福島さんにとってはいつもの光景だ。むしろ、ただの壁と変わらないのかもしれない。

 女王在任中は、3人の中でも特に長期出張を伴う仕事が多く、忙しい日々を送っていたという。

 イベントが行われる会場だった東京ビックサイトに、泡盛の女王のコスチュームを帽子まで被ったフル装備のまま、リュックを背負い、そのまま電車に乗って現れた。

 1着しかない女王コスチューム。連日着続けることも多々あった。

 「どんだけファブリーズしたか分からないですよ」

 ファブリーズを振った回数だけ、泡盛が県内外に普及されていった。

平良さん 宮里酒造所「春雨ラメ30度」水割り

 平良さんは、噛みしめていた。「おいしいです」

 基本に忠実、水割りが一番おいしいと話し、編み出した黄金比は「泡盛:水=4:6」

 春雨の魅力を「古酒じゃなくても、まるで古酒のようにスルっと飲めます。香りがフルーティーで、強さの中にまろやかさもあり」と、一言一言言葉を選びながら丁寧に説明したところで、ついついもう一口いっちゃう平良さん。

 「夏は水割りで、冬と風邪気味の時はお湯割りがベストです」

 平良さんによると、春雨は、2000年の九州・沖縄サミットでも各国首脳に振る舞われた銘柄だという。「研究熱心な社長の人柄も最高です」と、その味を生み出した社長のお顔まで想像しながら飲めるのも、泡盛の女王経験があったからこそ感じられる奥深さの一つだ。

 各都道府県にあるという泡盛同好会を巡り親睦を深めてきた平良さんは、これまた各都道府県の旬の食べ物と一緒に泡盛を味わうという、誰しもが羨ましがる泡盛ナイトを重ねてきた。

 「全部美味しかったんですけど、高知のカツオのたたき、北海道の海鮮、名古屋の手羽先とか良かったです」

 女王になったのは、会社の先輩からの他薦だった。泡盛をたくさん飲むという理由だった。

 選考会で、どのぐらい飲むのかと質問されて「まぁ同世代の中では飲んでいる方だと思います」と返したが、自宅のヒヌカン(火の神)に供えられていた泡盛を父と一緒に飲んだことがあるほどの酒豪っぷりだ。

 釣り船で酔わないようにと飲んだ酔い止め薬が変に効きすぎて、最後まで酔っぱらわないまま一人で半升瓶を全部空けたこともあった。

 誰もが納得の女王君臨だった。

古謝さん 金武酒造「龍ゴールド25度」マンゴー割

 「昔からわかな(古謝さん)のオススメの飲み方があるんですよ」と、突然平良さんが冷蔵庫から凍ったカットマンゴーを取り出してきた。こうなることは分かっていて、古謝さんのためにと事前に仕込んでいたという。

 古謝さん流の龍を一番おいしく飲む方法は「氷の代わりに凍ったマンゴーを入れる」という、南国ムード全開のクリエイティブ方式。

 「私、泡盛の女王をする前は、宜野座村でマンゴーの露店販売をしていたんですよ。それで、収穫時期になると周囲の方からマンゴーをたくさん頂いて、凍らせて保存していたのが始まりです」

 それで、氷の代わりにマンゴーを入れてみたところ「革命が起こった」という。

 薄める割合は3:7だ。3が龍で、7がマンゴージュースだ。大事なことなので2回書くと、7がマンゴージュースだ。

 マンゴージュースとマンゴー果肉氷で、一生マンゴー濃度が薄まらない。「南国フルーツ最高です」

 龍の蔵元・金武酒造は、古謝さんの地元・宜野座村に隣接する金武町にある。お酒を飲み始めた当初から龍はいつも身近にあった。「日常に寄り添えるのが龍です。今も昔もずっと家にある、ブレない1本です」。こうやって、龍と共に半生を歩んできた。1988年生まれの古謝さんの干支がたつ年であることも、縁を感じている。

 古謝さんが女王になったのは、隠された理由があった。

 「歴史ある泡盛の魅力を発信したい」と言っていた表の理由も、本当のことだ。しかし実は、泡盛が大好きな母親の笑顔が見たかったのが一番の理由だった。母親本人には、まだ恥ずかしくて明かしていない。

 「うちの母はきっと“沖縄で一番泡盛を消費する女“なんです。母の血液は泡盛でできています。母の匂いは、泡盛の匂い。泡盛の女王になって喜んでもらいたかった」

 泡盛の女王にはまだまだ上がいる。古謝さんのお母さんは、泡盛の王母だ。

泡盛カクテルを作ってみよう!

 毎年カクテルコンペが開かれるなど、認知度が高まりつつある泡盛カクテル。新しい泡盛の楽しみ方として、県内のバーではラインナップに加わっているところも増えてきた。

 最後に、3人の元女王と泡盛カクテルを作ってみることに。

 各種フルーツ、ジュースやはちみつなど「カクテルに使えそうな何か」を取り揃えた。

 まずはレシピコンテストでグランプリを受賞した実績のある「58KACHA-SEA(ゴーヤーカチャーシー)」から。すりおろしたゴーヤーをも材料につかったカクテル。ライムや炭酸の清涼感と共にやってくるほろ苦さが夏にぴったりだ。

【使用材料】
泡盛 40ml ※銘柄問わず 40度の泡盛の場合
ゴーヤー 3cmくらい
ライム ¼個
トニックウォーター適量

(引用元:https://www.tabirai.net/sightseeing/special/58kacha-sea/

 古謝さんが普段から飲んでいるマンゴー泡盛も「これは立派な泡盛カクテルなのでは」と気付き、これに名前を付けてもらった。

「宜野座マンゴーボンバーイェ!」

 3人の元女王がそれぞれの境地で達した「美味しい泡盛の飲み方」。

 コロナ禍でまた外出自粛が広がりつつある昨今、泡盛を飲んで窮屈さを吹き飛ばすのも名案かもしれない。

【撮影協力】かりゆしコンドミニアムリゾート那覇 グランステイ旭橋駅前

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長濱 良起

長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。2019年に県系移民などをつなぐウェブメディア「One Okinawa」創設。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(東洋企画)

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