宿泊チェックインを無人化!沖縄ファミマ提携や多言語対応など「欲しい機能を妥協なく詰め込んだ」

 

 宿泊業を営む株式会社ユナイテッドコーポレーションと、システム開発を行う株式会社ゴールドバリュークリエーションが共同で、無人チェックインシステム「スマートフロント MujInn(ムジン)」を開発した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けての開発かと思うほど、このご時世にマッチしたプロダクトだが、話を聞くと、数か月で完成するような代物ではなかった。それもそのはず、構築にはおよそ1年の月日が費やされていたのだ。(つまり新型コロナウイルスは一切関係なかった)

 今回は、MujInnプロダクト発起人である株式会社ユナイテッドコーポレーション代表・山田 亮(やまだ りょう)氏に、開発のきっかけやMujInnの詳細について伺った。

開発のきっかけは、自社宿泊施設の課題。「どうしてもオリジナルを造る必要があった」

株式会社ユナイテッドコーポレーション代表・山田亮氏

 2013年から宿泊業をスタートしたという山田氏。宿泊施設経営にあたり、いくつか課題に思うことがあったという。例えば鍵の受け渡しやお客とのやりとり、現地精算や現地集金など、全ての課題は「人的コストがかかる」という点だった。

 特に山田氏が経営する民泊や民宿、小規模宿泊施設などの業態は、鍵の受け渡しと現地精算さえなければ基本的に無人で担うことができるものだ。

 しかし、時間にすればものの5分程度で終わる現地精算や鍵の受け渡しだが、実際にお客が待ち合わせ場所に辿り着くまでの時間にこそロスがあった。沖縄の土地や渋滞情報などに詳しくない観光客が、待ち合わせ時間通りに訪れることはごく稀なのだ。山田氏も例に漏れず、2~3時間車の中で待つ羽目になることは一度や二度ではなかった。

 この人的コストをどうにかできないかと考えた山田氏は、無人チェックインシステム導入を検討するようになった。だがリサーチの結果、全国的にあらゆる無人チェックイン機器はあるものの、山田氏が「使いたい」と思うには、どのメーカーの商品もどこか物足りなかった。

 「沖縄という土地に合った無人チェックインシステムを造りたい」そんな想いに至った時、思いの丈を、兼ねてより友人付き合いのある株式会社ゴールドバリュークリエーション代表・金見 義教(かねみ よしのり)氏に話した。すると実は金見氏にも同じ構想があったことが分かり、さらに山田氏が思いつかなかったような面白い提案もしてくれたのだ。

 そしてふたりの思い描く無人チェックインシステムの構築が始まった。

他社製品との大きな違いは「多言語対応」「ファミポート決済」「24時間駆けつけサービス」

 ふたりは理想の無人チェックインシステム構築のため、一切妥協しなかった。時に、一度造ったものをなしにして、再構築するという場面もあったそうだ。実際に導入するまで、1年強の年月を費やした。

 そうして誕生したMujInn。ここで改めてMujInnの機能やサービスについてお伝えしたい。「セルフチェックインシステム MujInn」は、遠隔で本人確認、宿泊者名簿作成、ナンバーキーの受け渡しなどを自動・遠隔で行うことができるシステムだ。

 県外には多くのセルフチェックインシステムが流通しているが、このMujInnが他システムと違う点は3つある。

 ひとつは「多言語対応」。インバウンド観光客も多い沖縄発のシステムとして、多言語対応は欠かせなかったと山田氏は語る。チェックインは英語、中国語、韓国語、タイ語など6言語に対応しており、また、翻訳ビデオチャットでは翻訳した言葉を再度、利用言語へ翻訳し直す二重翻訳を適応することで、外国語を話せない人でも『正しく伝わっているか』を確認することができる仕組みとなっている。

 そしてふたつめの特徴は「ファミポート決済」。沖縄県内最大店舗数を誇る沖縄ファミリーマート全店舗のファミポートにて、現地決済を行うことができるというものだ。これにより、支払い→チェックインが一括できる上に、支払いが終わっていないお客が宿泊先に訪れた場合、MujInnにより“支払いが完了していない旨”と“最寄りのファミリーマート”を案内してくれる。

 そして最後のひとつは「24時間駆けつけサービス」である。MujInnは南日本警備保障による駆けつけサービスを備えているため、いざという時も安心だ。

 上記に紹介したことを含め、MujInnの全サービス・機能を以下にまとめる。

【セルフチェックイン機能】

リモート本人確認/パスポートデータ取得/宿泊者名簿作成/ナンバーキーの受け渡し

【ゲスト向け提供サービス】

コンビニでの現地決済及びナンバーキー受け渡し/リアルタイム翻訳ビデオチャット(宿泊者からの問い合わせをビデオチャットにて対応)/宿泊者サポートコールセンター/24時間駆けつけサービス

【運営サポートサービス】

サイトコントローラー連携/部屋の割り当て(自動・手動・両対応)/騒音センサー連携/その他運営サポート

 なお、これらの機能はカスタマイズ可能。自社の方針に合わせて、利用するサービスのみをシンプルに使うこともできる。

今後はAI顔認証なども追加予定

 オーナーとお客の利便性を追求したMujInn。山田氏は今回のプロダクトに関し「金見社長は、どんな”やりたい”も実現してくれる頼りがいがある人。信頼できるパートナーと理想のシステムを構築できたことに感謝しながら、より多くの企業さんに伝えていきたい」と話した。

 すでにいくつか宿泊施設から問い合わせと契約が決まっているそうで、初年度は20~30施設の導入を目指し、5年後には200施設にまで増やすことを目指しているとのことだった。

 また、現在はAIによる顔認証機能を実装中で、宿泊施設に到着と同時にチェックインが完了できるようになるそうだ。時代の需要しかり、宿泊業を営むオーナー自らが欲しい機能をすべて詰め込んだ無人チェックインシステムは、いつしか観光地のホテルで必ず目にするものになるかもしれない。

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三好 優実

三好 優実

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香川県出身・沖縄移住歴6年目のフリーランス編集者・ライター。主に沖縄県内の観光・グルメ・経済について執筆。シリーズ本「香川県あるある」の著者。

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