まさひろ酒造の140周年記念商品「島唄」今日発売!“シン泡盛”の正体とは

 
「島唄」の商品ラインナップ(まさひろ酒造提供)

 酒類の製造販売を手掛けるまさひろ酒造株式会社(糸満市、比嘉昌泰社長)は、創業140周年を記念したプロジェクトの第一弾として新商品「島唄」を4月28日に沖縄県内で先行発売を開始する。すっきりとした口当たりで、同社が「これまでにないほど飲みやすくうまい泡盛」と表現している通り、ストレートやロックでも美味しく飲めるのが特徴だ。

 発売に先立って4月21日には、那覇市のパレットくもじ前交通広場で商品発表会を行い、キッチンカーで「島唄」を無料でふるまった他、今後の事業戦略として比嘉社長は、泡盛メーカーに留まらないという視点から「クラフト蒸留酒メーカー」という立ち位置を押し出していくことも明言した。

キャッチフレーズは「島唄うまし!」

 まさひろ酒造は「島唄」について、製品名を隠したまま4月1日から「謎の#シン泡盛」として1万4000本のサンプリングを県内各地の商業施設で行ってきた。今回の新商品発表会で初めて“種明かし”となった。

 キャッチフレーズは「島唄うまし!」。回文となっている楽しい仕掛けを盛り込んだ。泡盛離れが叫ばれる中「もっと多くのうちなーんちゅに愛される泡盛を作りたい」との思いを込めて開発に励んできたという。泡盛では初めて「清酒酵母を使って製造した泡盛」と「泡盛酵母の古酒」をブレンドした。

比嘉社長「コミュニケーションの潤滑油に」

 発表会では、同製品のCMに出演したお笑いコンビ・こきざみインディアンのさーねーさんともーりーさん、モデル・タレントの川満あんりさんらが登壇。CM撮影の裏話も交えながら「島唄」の魅力を紹介した。

 川満さんは「あまり泡盛を飲んだことがない人や、若い方も手に取ってほしいです」と話した。比嘉社長は「縦とか横のつながりを感じられる場でわいわい飲んでもらいたいです。どんな料理にも合うので、(場を選ばず)コミュニケーションの潤滑油になれば。今までコロナ禍だったので、リアルの場で飲む体験を多くしてほしいと思っています」と、お酒を飲みかわす楽しさを想定した自信作を語った。

「クラフト蒸留酒メーカー」へ軸足

 発表会では今後の事業戦略についての説明もあった。新たに定めたビジョンとして「泡盛を核として、県内・国内・海外に『うまさひろがる』クラフト蒸留酒メーカーとなる」を掲げ、泡盛に限らず幅広い酒類製造にアクセルを踏み、市場や売り上げの拡大を狙う。現在もウォッカやジン、リキュールといった製品群を55カ国に展開しており、沖縄県の飲料輸出総額の約16%を同社が占めている。

 比嘉社長は「心と心がつながる瞬間を提供していこうとしています。美味しさだけではなく、『楽しさ』や『分かち合う』といった心が動く瞬間が、まさひろ酒造が考える“うまさ”です」と話す。今後の海外展開については「販路はすでに拡大しているので、その販路に乗せた後に現地でのプロモーションをしっかりしていきたいです。泡盛に関してはまず県内、県外、そして海外へと広げていきたいです」と話し、沖縄文化を「心と心をつなぐ」という理念も込めて広げていく構えだ。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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