沖縄の離島地区タクシー運賃を値上げへ 審査経て秋頃改定の見込み

 
沖縄のタクシー(資料写真)

 沖縄総合事務局は県内離島地区のタクシー運賃について、一定の基準を満たした事業者(標準能率事業者)の収支率を検討した結果、改定を行うことを決定した。発表した3日までに、離島地区にある43事業者(509台)のうち22事業者(403台)から改定の申請があり、普通車の初乗り料金については30~130円の値上げ申請があった。今後審査期間などを経て、今年秋頃に値上げされる見込みだ。

燃料費の高騰が主な要因か

 3カ月の期間が設定された運賃の改定申請は、昨年12月14日に受付を開始した。申請数が標準能率事業者の7割に達し次第、審査を開始する規定となっており、2月には審査を始めた。3月3日時点での申請割合は車両数ベースで79.17%に達する。申請受付は3月13日まで。

 運賃改定要否の判定については、標準能率事業者の実績年度、または実績年度の翌年度の適正利潤を含む加重平均収支率が100%以下の場合に実施する。今回の収支率は91.49%だったため、改定が必要と判定した。

 長期化するウクライナ情勢に伴う燃料費価格の高騰などが、事業者の経営を圧迫する主な要因と見られる。

普通車「初乗り」30~130円の値上げ申請

 事業者からの申請では、普通車の「初乗り料金」は現行の470円(1.167km)から500~600円(0.83km~1.166km)に、「加算料金」は現行の60円(336m)から60~80円(277m~379m)に上げることを求めている。申請運賃は事業者によってばらつきがあるが、今後の審査を経て統一される。大型車、特定大型車の運賃も改定される。

 今後のスケジュールについては運賃の審査後、8月頃に上限運賃を決定し、自動認可運賃設定を公示。公示から2週間経過後、速やかに認可するとしている。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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