琉球の甘みを楽しむ「那覇三大まんじゅう」
- 2021/3/13
- 食・観光
山城まんじゅうは現在は6代目がお店を切り盛りしている。店舗の後継者事情などにより一度店を閉じたこともあったようだが、ファンからの惜しまれる声に一念発起、2008年に再び営業を再開した。道路拡張工事に伴い建物自体も大きく建て替えられ、昔のままのイメージで訪れると見過ごし兼ねないのでご注意を。
あの昔懐かしい味をもう一度味わいたい!という方も多いと思うので、是非足を運んでみて欲しい。出来立てホヤホヤのまんじゅうを片手に、近くの龍潭で休憩しながら食べるも良し、首里城までも遠くはないので、首里城の空気に触れながら食べてみるのもまた乙なものではないだろうか。
はったい粉であっさりの「天妃前まんじゅう」
こちらは読んで字の如く、天妃宮の前のまんじゅうに由来する。
那覇市久米の天妃小学校がある場所には、琉球王朝時代に航海の女神と言われる「天妃」を祀った上天妃宮があり、人々はそこで航海の無事や感謝を祈ったという。敷地内には今も天妃宮の石門と天妃宮跡という石碑が存在する。
その天妃宮の前で売られていたまんじゅうを総称し、天妃前まんじゅうと呼んでいたのだ。天妃宮がなくなってしまった現代でも、先祖代々天妃前まんじゅうを作り続けている泉崎の「ペーチン屋」で買い求めることが出来る。特徴としては、他と比べてまんじゅう自体がだいぶ薄い。
まんじゅうと言うより、どちらかというと「生八つ橋」のようなイメージに近いのかもしれない。歯応えも、モチモチの生地がサクっと嚙み切れる感じで、すごくアッサリとしたまんじゅうだ。それもそのはず、生地には小麦粉ではなく「はったい粉」を使っている。はったい粉とは、大麦などを焙煎して挽いた粉。一昔前までは、はったい粉を溶かしたおやつなどが定番だった。
3つのまんじゅうの中で甘さも一番控え目、上品な薄さにとても高級感を感じられるまんじゅうになっている。こちらは熱々ホクホクに限らず、冷やしても美味しい。
最後に、今回紹介したまんじゅう屋全てに共通することだが、いずれも大人気商品につき売り切れ御免となっている。購入希望される方は、店舗開店後なるべく早めのお買い求めを!
コロナストレスが募る昨今、歴史にも触れながら沖縄独特の甘い伝統菓子でストレス解消されてみてはいかがだろうか。