国内唯一に日本一! 本部町の山の魅力が止まらない

 
日本一早い桜祭りが開催される「八重岳」

 沖縄県北部に位置する本部町には、山原(やんばる)と呼ばれ緑あふれる大自然の山々や特産物にも大きな魅力がある。今回は知られざる本部の山の特徴や、日本で最初に栽培されたフルーツについて紹介しよう。

目には桜、口にはタンカン!

 本部町内に聳え立つ「八重岳」は沖縄三大桜祭り会場の1つで、毎年1月下旬になると7000本もの寒緋桜が山をピンクに染める人気スポットだ。

 本島内では国頭村にある与那覇岳に次いで2番目の高さであり、離島を含めると1位石垣島・於茂登岳、2位与那覇岳、3位西表・古見岳に次ぐ4番目の高さである。

 八重岳麓の集落「伊豆味」はタンカン(沖縄のみかんの一種)の産地で、1月から3月にかけて多くのタンカン狩り客で賑わう。数百円の入場料で畑内のタンカンがいくらでも食べ放題。大自然の中でみかんを捥いで食べる味は格別だ。さらに追加料金を支払えばお土産として持ち帰ることも可能となっている。

大きくて甘い「タンカン」が鈴生り

国内唯一の「円錐カルスト」とは

 町役場のある字東から今帰仁城跡へ抜ける県道115号線の山間には、不思議と綺麗に整った三角錐状の山々が連なる。これらは世界的にも珍しい「円錐カルスト」と呼ばれる山で、国内では唯一本部町でしか見られないため国立公園に指定されている。

 カルストとは、石灰石などで構成された大地が二酸化炭素を含む雨によって長い年月をかけ侵食され造られる地形だ。特に亜熱帯地域ではスコールのような激しい雨によって侵食されるため、時にこのような円錐状の地形が生み出されるという。

世界的にも珍しい「円錐カルスト」の整った三角錐は自然の造形美だ

 本部町のカルストは、2億年以上前のサンゴ礁が隆起してできた地形だと言われている。その綺麗な円錐状の形から、クリスマスシーズンにカルスト山をツリーに見立て壮大なイルミネーションを施したり、ゴールデンウィーク付近には山の麓に咲き溢れるユリの花とコラボしたユリ祭りも開催される。

 さらに本部円錐カルスト群の山の一つには、その形が富士山に似ていることから富士自然動物園協会(富士の自然を守る会)によって「ふるさとの富士」に正式認定された「本部富士」もあり、県内に限らず県外からの登山客も多く訪れている。

 日本全国に〇〇富士と付く山は多々あるようだが、ここ本部富士こそが最南端の富士である。

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