復帰50年に沖縄県産米の泡盛醸造 忠孝酒造大城社長「泡盛業界の復帰は終わっていない」

 

 沖縄が日本復帰50年を迎えた2022年5月15日から「未来へつなぐ熟成」をされる泡盛がある。忠孝酒造株式会社(豊見城市、大城勤社長)の「沖縄テロワール泡盛」だ。昭和初期以降にタイ米が泡盛の原料として定着している中、県産米での泡盛作りに取り組んでいる。「私たちはどんな未来を熟成していくのか」-。この言葉に裏打ちされるように、新しくも原点的である沖縄の醸造文化をじっくりと育てている。

 クラウドファンディングサイト「Makuake」にて7月16日までの先行販売がすでに始まっており、泡盛が古酒となる3年間の熟成を経た2025年5月15日に購入者へと届けられる。

沖縄県産米から作られたもろみ=5月10日、豊見城市のくぅーすの杜忠孝蔵

バニラ風味の泡盛

 テロワールとは、本来はフランス語で「土地」を意味する言葉で、主にワインの分野で使われている。土壌や気候、立地など、ブドウが育つ「生育環境」を指し、その“テロワール”だからこそ生み出せた「ならではの味」が、ワインを楽しむ一つの要素となる。

 沖縄テロワール泡盛は「沖縄で育った米」を使った泡盛だ。沖縄での米の収穫量は東京に次いで少ない。稲作に適した土地が少ないことや、台風の影響、輸送コストなど悪条件が重なることが要因とされる。

 そんな数少ない①沖縄県産米②バニラのような香りを持つ酵母③四日麹-を用いて仕込む。3年後に古酒が届けられるのを前に、試飲サイズで蒸留半年の新酒が発送される。新酒は8月以降に一般でも販売される予定だ。

酒蔵見学施設でもあり販売店でもある「くぅーすの杜忠孝蔵」

伊平屋島の二期作米で

 国や県が支援して泡盛の海外出荷増を目指す「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」が立ち上がったのは2018年。その際に海外でのブランド力を高めるために提唱されたのが、泡盛の「テロワール」だった。伊平屋島でテロワール泡盛の原料を生産するために、2019年から従来の1期作に加えて2期作を開始。当初は10トン台の収穫量だったものの、2021年には約100トンにまで増産できた。

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