さーきーのマジムン飯③祝いの場に!ぐゎんやく
- 2022/6/1
- 食・観光
はいたい!沖縄で女芸人をしています!スズカーサーキットさーきーです!
今回で3回目となる「マジムン飯」!
前回は油断すると命を取られてしまう!?危険度MAXのマジムン、アフィラーマジムンのアレコレやアフィラーマジムンにちなんだマジムン飯を紹介しました!前回のマジムン飯「アヒル汁」の魅力を沖縄大好き芸人のじゅん選手が語ってくれましたが、みんなはもうアヒル汁、食べたかな!?(著者さーきーはまだ食べられていません…泣)
さぁ、今回も沖縄に潜むマジムンの特徴やエピソード、そしてマジムン退治に効果的!?な料理をマジムン大好き!料理大好き!な私さーきーが紹介していきます!
今回紹介するマジムンはこちら!
合コン大好き!ウヮーグヮーマジムン
さて、皆さんはマジムンと聞くとどんなイメージを持ちますか?マジムンって言うと、人間を襲う恐い存在だと思われがち。しかーし!沖縄のマジムンの中には、人間に化け、人間のように遊ぶ奴もいる。
その名も「ウヮーグヮーマジムン」。ウヮーグヮーマジムンはその名の通りウヮー(豚)のマジムンのこと。
ウヮーグヮーマジムンは夜な夜な人間に化け、夜道や毛遊び(モウアシビ)の場に現れるそう。
毛遊び(モウアシビ)とは…
野原などに若い男女が集まり、三線や踊り、お酒などで楽しむこと。今で言う合コン。めっちゃ楽しそう。
沖縄には、ウヮーグヮーマジムンに遭遇した人のこんな話がある。
ある村での出来事。男が毛遊びに参加していると、どこからともなく美しい女が現れ色目を使い男を誘う。気を良くした男は女の誘いに乗りあーんなことやこーんなことで一夜を楽しんだ。
そんな日が続き、その日の夜も女の誘いに乗った男はイタズラ心で女の草履を脱がせて奪ってしまう。草履を奪われた女は、悲しそうな顔をして足を引きずりながら立ち去っていった。翌日、奪った女の草履をみるとなんとそれは豚の爪だった。慌てて家の豚小屋を調べると、そこには爪を引き抜かれたままの老豚が苦しそうに倒れていた。
いや、完全に昨日の女やん。自分ちの豚とイチャついちゃってるやん。
良い感じだった女子が飼ってた豚だったって。ものすごく怖い話ですね。
さぁ、そんな今までとは違うタイプの恐怖を与えるウヮーグヮーマジムン。斜め上の恐怖に耐えながら食べてほしい、今回のマジムン飯はこれだ!
麦と黒砂糖で豚肉を炒める?! ぐゎんやく
恐らく読んでいる皆さんが全く聞いたことのない料理「ぐゎんやく」。
著者さーきーも初めましての謎料理です。
この連載が始まって2つ目の謎料理。料理名を聞いてもどんなものなのか、見当もつきません。ではなぜ紹介したか。そんなもん面白いからに決まってるじゃないか。
名前だけでは想像もつかない料理を作ってこそ新しい道が開けるってもんよ!さぁ、一緒に冒険に行こうぜ☆
さて、皆さんを若干イラつかせたところでぐゎんやくはどんな料理なのか紹介していきましょう。
図書館にあった古い文献によると、ぐゎんやくとは「祝いの場によく作る豚肉の炒め物」だそう。気になる作り方はこちら!
①豚肉を小さく切りよく焼けた鍋に入れて炒め脂を出す。
②その中に小麦を煎って石臼でひいた粉と包丁で細かく削った黒砂糖を入れて一緒に炒める。
以上。わぉ!2ステップ!
分厚い本に書かれた、たった一行のレシピ。味付けは?分量は?火加減は?聞きたいことは山ほどあるけれど、本に問いかけても当然ながら答えは返ってきません。
よっしゃ。手に入れた情報は極めて少ないけれど、いっちょやってみるか。
まずは豚肉を小さく切ってよく焼けた鍋に投入。ジュワーと油が跳ねる音だけで食欲が湧いてきました。
ある程度火が通ったら煎って粉にした小麦と細かく刻んだ黒砂糖を入れていきます。
おや??待って。めちゃくちゃ香ばしいんですけど!
これはかなり期待できます。黒砂糖が焦げる前に火を止めて、お皿に盛り付ける。
見た目は…お世辞にも美味しそうとは言えません。
では、実食!
…うん。うんうん。あー、はいはい。
めちゃくちゃ美味しいんですけど。
若干塩気が足りないような気もしますが、麦と黒砂糖と豚肉の脂の味がよく絡まってめちゃくちゃ美味しい!
こんな美味いもの作ってもらった日にゃ間違いなく惚れてしまいます。
皆さんもぜひ気になる相手に作ってみてください。でも、気をつけて。豚肉だけ避けて食べてたら多分そいつ、ウヮーグヮーマジムンだから。