オリオンビール決算、増収増益 コロナ禍からの回復寄与 

 
決算発表会見で発言するオリオンビールの村野一社長=20日、那覇市

 オリオンビール(村野一社長)は20日、2022年度の決算を発表した。コロナ禍からの回復などにより、売上高は前年度比32%増の217億9300万円、経常利益は前期比で約4倍の26億2600万円で増収増益となった。村野社長は会見で「おかげさまでV字回復を果たしたが、これからさらに成長していかなければならない」と語った。

 売り上げのうち、ビールなど酒類清涼飲料事業は184億円で前年度比25%増。ビール類が全ての販売チャネルで前年度比増となった。もう一つの柱である観光不動産事業も、沖縄への入域観光客数が増えたことで同89%増の34億円となった。

 事業方針では、村野社長は「沖縄の魅力とともに、持続可能な成長をとげる。この、『魅力的な沖縄』とともに成長することがオリオンビールのためだ」と強調した。また、「酒類清涼飲料事業と観光不動産事業、それぞれの収益基盤や収益性を向上させ、新たな成長ドライバーを開発していく」と述べた。

 その上で、戦略の一つとして「オリオンのブランドを輝かせる」を挙げた。公式グッズについても、今後は積極的に自ら商品開発やデザインを行っていくという。同社は「オリオンを体感することで沖縄を感じていただきたい」としている。

 観光不動産事業のホテルについては、「シナジー(相乗効果)が重要だ。(ビール事業と)両方やることの意味があれば成長が期待できるが、全くシナジーがなければ評価が下がってしまうことになりかねない」と指摘した。

 ホテルのオペレーションを統合するほか、オリオンビールが人事や総務の一部などを行うことで、ホテルがコアなサービスに集中できるようにする。追加投資も実施するという。国際通りでは再開発も手掛ける。

酒類清涼飲料事業、増収増益目指す

 23年度は酒税法の改正によりビールは市場が拡大する一方、増税となる新ジャンルは縮小すると見込む。また、原材料や資源価格高騰の影響を受けるとしながらも、酒類清涼飲料事業で増収増益を目指す。

 村野社長は「例えばだが、追い風が吹くビールのラインアップを充実化していく。ビールのラインアップを拡充することで、酒税改正にも耐え得る収益基盤を拡大することが一つの戦略だ」と述べた。

 また、「沖縄に地の利があるので、(沖縄での)販売データを分析し、より効率の良いビジネスを目指す。業務(用の販売)も昨年はまだ戻りきっていない。それらを総合することで、(酒類清涼飲料事業で)増収増益は達成可能だと考えている」と力を込めた。

 観光不動産事業でも、同社は「ブランド力、競争力、シナジーの強化を図り、収益拡大を推進する」としている。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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