沖縄の景気「拡大基調」維持 2月ホテル稼働率70%超 日銀那覇
- 2024/3/11
- 経済
日銀那覇支店(小島亮太支店長)は8日、2024年3月の県内金融経済概況(主要指数は24年1月)を発表し、景気判断について「拡大基調にある」との判断を6カ月連続で維持し、個別項目の判断もすべて据え置いた。
観光分野では、主要ホテル客室稼働率が2月の速報値で70.5%という高い水準を示した。 個別項目の個人消費は、「緩やかに増加している」との判断を維持した。
百貨店やスーパーの販売額(全店舗)は、前年比で5.3%の増加。1月は暖冬の影響で冬物衣料が振るわなかったが、2月は春物衣料が好調だった。そのほか、旧正月や節分などのイベント商戦による集客も多く見られたという。
観光の判断は「拡大基調にある」を据え置いた。1月の入域観光客数は、前年比プラス18.2%で、新型コロナ前の19年比で見るとマイナス幅は約1割強と拡大。主要ホテルの稼働率は51.7%で、19年比で約3割弱ほど落ち込んだ。
その背景として、同支店では国内客の鈍さが主因だと指摘した。▽全国旅行支援が終了した▽航空運賃や宿泊代など物価高の影響で沖縄を敬遠する動きが見られる―など、観光業への影響を注視する必要があるとした。
一方、2月の主要ホテル稼働率(速報値)は70.5%となり、コロナ禍以降でみると23年3月に次ぐ高水準となった。
2月はスポーツキャンプシーズンであり、今年はコロナが「5類」になって初めて開催されたことから、スポーツファンが多く来県した。また、3連休が2回あったことで旅行目的の需要も好調と分析した。
先行きについては、目先の県内経済は引き続き拡大基調が続くと判断した。
小島支店長は「良好な雇用所得環境を背景に個人消費が緩やかに増加していく。物価上昇が全国対比で高く続くもとでも、しっかり県経済が拡大基調を続けるためには雇用所得関係の改善は必須だ」と強調した。