スペシャリスト集団が補助金活用をサポート コロナ禍の中小企業再構築

 

 アプリケーションやWEBサービスの開発を手がける「STUDIO Re:THINK」は、新型コロナウイルス感染拡大で売り上げに影響を受けた中小・中堅企業の新規事業、事業再編を支援する経産省の「事業再構築補助金」について、補助金活用のための企画立案から設計・開発までをシームレスに支援する受託開発サービスを開始する。

企画・設計からシステム開発まで

 Re:THINKには、事業のグランドデザインをする「株式会社レフトステージ」、デザインを手掛ける「おきまる株式会社」、システムの開発・構築を行う「株式会社ティッピングポイント」の3社が参画する。企画・設計力、デザイン力、開発力を発揮できるそれぞれの分野のスペシャリストが集うことで、事業の最初から最後まで“ワンストップ”での支援が可能だ。
 補助金の有効活用が、文字通り企業の死活問題に関わるコロナ禍の現在、新規事業や再編に伴う企業側の補助金活用需要はあるものの、県内で同様の形でサービスを提供している例はあまりない。

 レフトステージCEOの大坪敏雄さんは「コロナの影響で案件が7〜8件ほどなくなって自分たちも申請の当事者だったので、いろいろな補助金の仕組みをリサーチする中で知見が積み重なってきました。それを困っている企業や事業者と共有しつつ、“受託開発の叩き上げ”としての自分たちのチームの経験も発揮できるのが、このサービスの強みだと思います」と語る。しかし、補助金についてはまだあまり知られていないのが現状で、県内企業の動きは鈍いという。

 補助対象企業は、①申請前の直近6ヶ月間のうち売上高が低い3ヶ月の合計売上高が、コロナ前の2019年もしくは2020年1月〜3月の3ヶ月合計売上高と比較して10%以上減少しており、さらに、②経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関と策定していることが条件。補助額は100万円からで、最大額は1億円。公募は第1回目が3月26日に始まっており、4月30日まで。年度内に4回程度実施予定だ。
 事業目的ではポストコロナ、ウィズコロナ時代の経済社会変化への対応として、中小企業の事業再編を支援することで「日本経済の構造転換を促す」と説明している。

継続性見据えたデザインを

 アプリケーションやWEBサービスの企画・提案面では、新規事業の構想段階から新規性と継続性を踏まえて相談に応じる。ユーザーの使用体験を決定づけるUX(ユーザーエクスペリエンス)設計、操作性を優先したUI(ユーザーインターフェース)をデザインし、開発と連携して事業の進行を効率化、さらにシステムの実装や検証まで全ての工程に応じる。

 これまでの開発実績としては、コロナ禍での感染防止を踏まえたスマートフォンを活用したモバイルオーダーシステムの構築や、 書類やFAXベースで行われていた展示会運営業務をオンラインシステムで大幅に効率化したことなどがある。

Re:THINKのWEBサイトより

 大坪さんは「コンサルティングの人たちが数字で示すことを、我々は形で表します」とサービスの特徴を話す。

 さらに、取り組む事業全体を俯瞰して継続性まで見据える「グランドデザイン」の重要性も強調。補助金をとって事業展開しても「次年度補助金が取れなくて単年で終わってしまう例も多々あります。どういう意図を持って、どのように継続していける事業なのかというヴィジョンがあれば、引っ張り上げることもできるし、共に良いものを作り出していけると考えています」と話した。

◆詳細や問い合わせはSTUDIO Re:THINKのWEBサイトまで

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真栄城 潤一

投稿者記事一覧

1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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