沖縄の有効求人1.20倍「雇用情勢の改善続く」 沖縄労働局

 
会見で発言する沖縄労働局の西川昌登局長=8月29日、沖縄県庁

 沖縄労働局の西川昌登局長はこのほど県庁で会見し、2023年7月の県内有効求人倍率(就業地別・季節調整値)が前月と同じ1.20倍だったと発表した。西川局長は、県内の雇用情勢について「観光客の回復とともに観光関連産業が引き続き好調で、県内の雇用情勢は改善が続いている」と述べた。 

 同月、全国の値は1.29倍となり、沖縄との差は過去最小の0.09ポイントを記録した。全国的には、原材料高と円安の影響で製造業や建設業からの求人が滞り、有効求人倍率が低下傾向にあるが、沖縄では観光の回復にともない年初から0.07ポイント上昇している。 

 正社員に限った有効求人倍率(原数値)は0.74倍で、全国(1.01倍)には及ばないが、コロナ禍前の19年度同月を0.06ポイント上回っており、同局は「求人条件を見直す動きが続いている」と評価した。 

 一方、県内では観光客の増加・回復に背景に、飲食、バス、タクシー、運輸業、小売りなど観光関連で慢性的な人手不足の状況となっているという。会見では、こうした状況の改善を目指して、9月を「観光関連求人充足キャンペーン」とし、県内5カ所に人材確保の特別相談窓口を設置して一斉にキャンペーンを行うことも発表された。 

 西川局長は、観光関連はコロナ禍の影響でイメージが先行している部分があるが、現在は回復基調で処遇や職場環境が大きく変わってきていると説明した。また、観光関連が他産業に与える波及効果の大きさを指摘した上で、「業界の中で改善されている企業と、出来ていないところは二極化するが、改善している企業でも誤解で求人が充足しないのであれば、これは早く埋める必要がある」と強調した。

(記事・写真 宮古毎日新聞) 

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