下地島空港「民間機に限る」 玉城知事が米軍利用で見解

 
記者会見で発言する玉城デニー知事=24日、沖縄県庁

 沖縄県の玉城デニー知事は24日、県庁で定例会見を行い、米海兵隊から下地島空港での人道支援・災害救援訓練を目的とした使用届書が提出され、その後に訓練が見送られたことについて、屋良覚書や西銘確認書の趣旨に基づき、同空港は民間機の利用に限るという従来の方針を改めて示した。玉城知事は「緊急時以外の米軍による民間の港湾や空港の使用は自粛を求めていく」と強調した。

 米海兵隊は13日、普天間飛行場所属のヘリコプター4機が31日に下地島空港を使用するとの空港使用届書を同空港管理事務所に提出。県は18日、米軍に対し屋良覚書などで同空港は民間航空以外の目的に使用しないことが確認されているとして、使用の自粛を口頭で要請した。

 その後、県は19日、米軍が同空港の使用は見送ることを確認した。玉城知事は会見で、屋良覚書と西銘確認書の考え方について、「県と政府間で独自の協定、それに準ずるような確認が行われているもの」との認識を示した上で、「われわれとしては、この覚書と確認書で確認されていることが、双方の共通した考え方であると、繰り返し堅持しておきたい」と語った。

 また、日米地位協定上の考え方についても言及し、「航空機および船舶の円滑な定期運行の安全性を確保するということから、米軍による民間空港および港湾の使用は緊急時以外は自粛すべきであるというのが、県の一貫した立場、方針だ」と述べた。

 一方で、南西諸島周辺の安全保障環境が急激に悪化する中で、周辺離島が必要とする訓練を拒否することに懸念の声も上がっているとの記者からの指摘に対しては「訓練を拒否することはいかがなものかという一方で、南西諸島地域では自衛隊の配備反対という声が上げられ続けていることもある」と応じた。

 昨年末に、政府が安保3文書の改定を閣議決定したことを受けた、南西諸島における自衛隊の配備増強に対して玉城知事は「軍事力の増強による抑止力の強化のみが進むとかえって地域の緊張を高め、不測の事態が生ずることについては非常に強い懸念を持っている」との認識を示した。

グアム移転をめぐる工事は順調

 同日の会見では、18日~19日の日程で訪問したグアムで、在沖米海兵隊の移設先となるキャンプ・ブラズの司令官と面談し、24年から受け入れを開始する予定であることや工事の進捗状況などの説明を受け「順調に工事が進んでいる」として、移転計画にはほぼ支障がないことなどを確認したことを明らかにした。

 また、グアム準州知事との会談では、在沖海兵隊のグアム移転について、沖縄の負担軽減を図る上で重要であり、着実に行われる必要があることを説明したという。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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