菅政権は沖縄とどう向き合うのか カギは河野太郎沖縄担当相か
- 2020/9/17
- 政治
自民党の菅義偉総裁が16日、衆参両院で首相に指名され、菅内閣が発足した。菅氏は7年8力月にわたる官房長官時代、沖縄の基地問題や振興政策、自民系候補の選挙支援に至るまでを一手に引き受けてきた。その菅氏の政権トップ就任で沖縄との向き合い方に大きな変化が生じることはなさそうだが、これまで同様に自身が前面に出ながら、陰に陽に存在感を示していくのかどうかが注目される。
沖縄入りは20回以上
「在任期間が長かったこともあるが、菅さんほど沖縄に足を運んだ官房長官はいない」
政府関係者がそう語るように、菅氏は2012年12月に発足した第2次安倍政権以降、毎年のように沖縄入りした。13年4月の初訪問を皮切りに、20年3月までにその数は少なくとも20回に上る。かたや、安倍晋三前首相の在任中の沖縄訪問は、毎年6月の「慰霊の日」の沖縄戦全戦没者追悼式への参列を除けば、13年2月の就任直後と同年7月の参院選応援の2度だけ。実質的に沖縄案件は、首相よりも〝菅マター〟だった。
官房長官と沖縄基地負担軽減担当相を兼務した菅氏が沖縄を訪れる目的はさまざまあった。米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる翁長雄志前知事らとの協議や基地を抱える地元との意見交換のほか、政権が誘致支援に乗り出したものの計画が立ち消えになったユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の進出予定地を視察したこともある。18年は、急逝した翁長前知事の通夜や県知事選などの選挙応援で6回沖縄入りした。