岡田沖縄担当相が基調講演 「強い沖縄経済セミナー」開催
- 2023/7/27
- 政治
内閣府主催の「強い沖縄経済セミナー2023」が26日、那覇市で開催され、岡田直樹沖縄・北方担当相が基調講演を行った。岡田氏は「6月に閣議決定した(政府の予算編成に向けた姿勢を示す)『骨太の方針2023』でも、沖縄振興を国家戦略で推進することが明記された。24年度の予算要求も含め、必要な支援策を講じていく」と語った。
同セミナーには沖縄県内の経済団体代表ら約70人が出席し、基調講演に耳を傾けた。岡田氏は、沖縄振興策を強力に進めるには、県内の経済界と中長期的なビジョンを共有することが重要だと強調。これからの方向性や意義を説明することを目的に、同講演会を企画したことを説明した。
沖縄振興の「成果」と「課題」として、岡田氏は「県内総生産、就業者数が全国を大きく上回る伸びを示すなど、沖縄経済は確実に発展している。一方で、1人当たりの県民所得は全国最下位、こどもの貧困も改善しつつあるが依然として深刻な状況だ。産業構造では、製造業の割合が少ないほか、IT業においても労働集約型が多く、高付加価値への転換が望まれる」と述べて課題の多さを指摘した。
その上で、岡田氏は「強い沖縄経済を実現するためには、リーディング産業である観光の再興が必要不可欠だ」とし、コロナ禍で痛手を受けた観光入域客数も、この5月の段階で64 万5300人にまで回復したことを報告した。
また、「高付加価値の観光業を目指すためにも産官学連携がカギとなる」と述べ、沖縄科学技術大学院大学(OIST)との緊密な連携強化を訴えた。
同セミナーでは、関係者によるプレゼンテーションに、OISTの新学長に就任したカリン・マルキデス氏が登壇。同氏は、「さまざまな分野で新事業のスタートアップを支援するなど、本学の技術力を沖縄の地域に提供し、イノベーション推進のパートナーシップを実現していきたい」と述べた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)