【那覇市長選】知念氏が出馬表明「県都として経済を牽引する」

 
那覇市長選挙への出馬を表明する知念覚氏

 任期満了に伴って10月23日に投開票される那覇市長選に向けて、前那覇市副市長の知念覚氏(59)が那覇市内の事務所で会見を開き、立候補を表明した。自民、公明の推薦を受ける。那覇市を「県都であり、フロントランナー」と位置づけ、「コロナ禍の今だからこそ、県都として経済を牽引する役割を果たさねばならない」と強調し、市政発展への取り組みに向けて意欲を示した。
 知念氏は翁長雄志市政で秘書に起用され、総務部長や政策統括調整官などを歴任。城間幹子市政では副市長として行政運営を担った。

コロナ禍だからこそ地域発展を

 会見冒頭で自身の行政経験について触れ、「市政に求められていることは拡大している」とし、子育て教育、経済、福祉、医療など、各分野で市民をサポートする“最後の砦”が市役所であると述べた。その上で「市民生活をしっかり支えていく市政の総合力が不可欠」だと説明した。

 県都である那覇市は「沖縄県の経済の中心であり、フロントランナーとして経済を牽引しなければならない大きな使命を負っている」とし、コロナ禍で打撃を受けた現状を踏まえて「今一度今後の街づくりを展望し、経済活性化、市民福祉の向上、地域の発展への取り組みを急がなければなりません」と強調している。

 また、2008年からスタートしている10年スパンの市の総合計画についても言及し、次期市長の任期が同計画の中間地点にあたり「最終目標に向けた重要な時期になります」と説明。計画の中でもとりわけ、経済、地域活動、福祉の課題が中間目標値に達していない現状を挙げ、解決・改善に向けて「対応力、突破力、構想力、先導力」を持って臨みたいと意欲を示した。

城間市長への「支援を要請する段階ではない」

 那覇市長選を巡っては「オール沖縄」勢力が支援する無所属新人で前県議の翁長雄治氏も立候補を表明しており、知念、翁長の両氏と縁の深い現職の城間幹子市長がどちらを支援するか態度を示していない。質疑応答で、城間市長への支援を求めるかどうか聞かれた知念氏は「現時点では支援を要請する段階ではないと考えています」と述べるに留めた。

 城間市長とは「8年間苦楽をともにしてきました」と振り返りつつ、現在も定期的に連絡をとって「議会や市政課題などについてのやりとりをしています」と説明。その上で「今は(城間市長が)静観している気持ちを大切にしたいと私は思っています」と話した。

辺野古は「名護市長の姿勢を尊重したい」

 翁長氏が反対を示した上で争点として位置づけている辺野古基地建設について、知念氏は「渡具知(武豊)名護市長は国と県との裁判を見守ると言っているので、私もその姿勢を尊重したいというのがスタンスです」と述べた。

 辺野古問題については「色々と思うところがあります」と前置きし、沖縄県民が基地を巡って「右か左かに分かれて、常に苦渋の決断をしてきた歴史」があると語った。その上で「名護市民も様々な葛藤の中で選択をしてきたと推察します。現地に住んでいる人たちの街づくり考え方を尊重し合わなければならない」と説明した。

 また、知念氏は市政運営の中で計画や事業を進めていくために「1番大きいものは予算」と説明し、「現実問題として中央とのつながりは非常に重要」と強調。自公の推薦を得たことで、予算確保が「スムーズになる期待があります」とし、国とのパイプを重要視する姿勢も示した。

 那覇市長選は知念氏と翁長氏の一騎打ちになる見通しだ。近日中には両氏の政策発表が行われる予定。


真栄城 潤一

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1985年生まれ、那覇市出身。
元新聞記者、その前はバンドマン(ドラマー)。映画、音楽、文学、それらをひっくるめたアート、さらにそれらをひっくるめた文化を敬い畏れ、そして愛す。あらゆる分野のクリエイティブな人たちの活動や言葉を発信し、つながりを生み、沖縄の未来に貢献したい、と目論む。

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