沖尚が10年ぶり2度目の優勝、ウェルネスを打撃で圧倒 沖縄県高校野球秋季大会

 
秋季大会で優勝を飾った沖縄尚学のメンバー=10月2日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(以下、雑誌「ホームラン」提供)

 第72回沖縄県高校野球秋季大会は10月2日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで決勝を行い、沖縄尚学が10-3でウェルネス沖縄を下し、2年ぶり10度目の優勝を飾った。沖尚は各選手がシャープな打撃を徹底して大量19安打を放ち、強打が持ち味のウェルネスに打ち勝った。2校は来春の選抜大会(春の甲子園)出場を懸け、今月22~28日に沖縄で開催される第151回九州地区大会に沖縄代表として出場する。

 決勝に先立ち、九州大会に出場する補欠校を決める順位戦も行われ、興南が糸満に11-1で六回コールド勝ちを収めた。

三回に一挙6点で逆転 エース我慢の投球で完投

力強いバッティングを見せる沖縄尚学の仲田侑仁

 初回の守り、エース東恩納蒼の暴投や内野のエラーでピンチを招いた沖尚。ウェルネス5番の大濱安綺に右中間を割る適時二塁打を打たれ、2点を先行された。

 今大会を通じて初めてリードを許す展開となったが、三回に打線が爆発する。先頭の東恩納が内野安打で出塁すると、後続も単打や四球で続き、1死満塁のチャンス。ここで右打席に立った仲田侑仁が左翼手の頭上を越える走者一掃の適時二塁打を放ち、3-2と逆転に成功した。さらにこの回、打者一巡の猛攻を見せ、一挙6点を奪った。

 東恩納は三回にソロ本塁打を浴び、その後も毎回のように安打を許したが、粘り強い投球でそれ以上の追加点は許さずに9回を1人で投げ切った。比嘉公也監督は「ツーアウトからの出塁が多かったのは課題ですが、強打のウェルネスさんに対して完投できたことは大きいと思います」と評価した。

 打線は6打数5安打と抜群の出塁率を記録した1番の知花慎之助や、3犠打を成功させた2番・佐野春斗主将らの活躍もあり、四回に1点、さらに最終九回に3点を追加し、大差で勝利を収めた。

佐野主将 選抜出場に向け「しっかり準備を」

 夏季大会では決勝で興南に1-7で完敗し、夏の甲子園出場を逃した沖尚。比嘉監督は「夏は悔しい負け方をした。先輩たちのリベンジを果たして優勝してくれて、満足しています。打線が2巡目でしっかり相手投手の球を捉えたことは100点です」と振り返った。

 4打数2安打3打点でクリーンナップの1人として結果を残した仲田は、三回の適時打を振り返り、「高めの真っ直ぐをコンパクトに打つ事ができました。普段の練習からチャンスの場面を意識して打ってきた成果が出ました」と満足げに語った。

 九州大会への意気込みを聞かれた佐野主将は「長年、沖縄勢は選抜大会に出場できてないんで、(甲子園の切符を勝ち取るため)まずは2勝を目指したいです」と意気込んだ。地元開催を念頭に「皆さんの期待に応えるためにも、しっかり準備して戦いた

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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