注目の米大統領選 勝つのはそれでもトランプだ

 

 沖縄県には多くの米軍基地がある。それらは良きにつけ悪しきにつけ県民の生活に関わりがある。悪い面では、基地公害といわれる米軍人犯罪、河川、土壌の汚染があり、それがもとで基地撤去を求める声、運動が起きている。良い面は、軍用地の賃料、基地従業員の雇用、基地に関連する建設工事、米軍人相手の商売等で金が落ちることである。

 トランプ大統領が「金を出さなきゃ米軍を引き上げる」とNATOや韓国に迫り駐留経費の負担増額交渉を行ったニュースは沖縄県民に関心をもって受け止められた。沖縄でも同じことが起きれば、それによって基地が無くなるという期待、一方では収入がなくなるという不安が生まれたようだ。

 だから、11月のアメリカ大統領選に多くの県民が関心を持つのは当然のことである。大方は民主党のバイデン候補が勝つと踏んでいるだろうが、私はこの見方に左袒し難い。

白人の優越感をくすぐるトランプ

 トランプの政治手法は人種の優位を鼓吹して政権を取ったヒットラーを真似たようだ。白人の優越感をくすぐり、正論とか筋とかに疑問を持たせるためマスコミを「フェイクニュース」という言葉を使って攻撃して戦った。

 白人は史上初の黒人大統領だったオバマによる8年間の統治の下、「かつての奴隷風情に大きな顔をされた」との屈辱感を胸裏に蓄積し、黒人に反感を持ち、黒人を排斥し、屈辱感を晴らしたいとの願望を抱いた。

 ヒットラーが第一次大戦の過酷な賠償金に対する国民の不満を使ったように、トランプは白人の屈辱感を使って前回の選挙に勝ったのである。大統領になるとオバマの作った物をぶち壊し、オバマを非難している。かくして熱烈なトランプ・ファンが生まれた。この支持層は岩盤のように固い。

 今度の選挙でトランプは替え玉を使って大学に入学したことや、女性を蔑視してきたこと、さらには税金を払わっていなかったことなどを指摘され、大統領としての能力を欠いていると非難されている。バイデンは、「トランプは国論を二分し国民間の対立を煽っている」と責める。トランプが有色人種を差別するクー・クラックス・クラン等の白人過激派を支持し、白人警察官による黒人殺害を非難せず白人警察官を庇っているともいう。

 だが、こんな話はトランプ支持者には馬耳東風だ。

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