「発展」ではなく「持続可能」な社会を 次期沖縄振興計画にツッコむ
- 2021/2/23
- 政治
沖縄県が今後10年の振興の方向性や基本施策を明示するものとして、「持続可能な沖縄の発展」と「誰一人取り残さない社会」を掲げる新たな沖縄振興計画の骨子案。1月に発表され、2月28日までパブリックコメントを募集している。
各分野で活動する有志でこの骨子案を読み込んで“ツッコミ”を入れながらレビューする会「沖縄未来提案プロジェクト」は、現場レベルの市民から出た提案を計画に反映させるための活動を展開中だ。
経済ベースではSDGsが置いてけぼり
「『発展』や『開発』という言葉が多用されていることに象徴されていますが、思考様式が経済ベースになっているので、県民と県民の生活、そしてSDGsの概念が置いてかれている印象です。これでは『誰一人取り残されない社会』の実現は程遠いと思います」
声掛け人の石垣綾音さんは、骨子案全体に通底する大きなツッコミ所として先ずこう語った。骨子案の計画目標には「持続可能な沖縄の発展」とあるが、すでにこのワーディングに経済ベースで物事を捉えている姿勢がにじむ。
「SDGsの本義をみると、持続可能にすべきは人間が社会的に豊かな生活をすることであって、経済的な『発展』を持続することが目的ではないはずです。SDGsの達成も目指すのであれば、持続可能な“社会”というニュアンスのフレーズを使う方が誤解されにくいと考えます。」