「発展」ではなく「持続可能」な社会を 次期沖縄振興計画にツッコむ

 
県の施策展開のイメージ図(沖縄県「新たな振興計画(骨子案)」より)

社会をうまく持続可能にするための経済を

 骨子案の「基本的課題」について述べている章では、人口減少による労働力不足への懸念について触れられている。そこでは「労働力の供給不足はあらゆる領域で深刻化し、社会・経済の成長と発展の足かせとなる可能性もある」と前置きして、高齢者や女性の社会進出を促進することが対策の筆頭として挙げられる。

 石垣さんは「こういう所にもやはり『人間=労働力』という図式で社会を捉えている姿勢が垣間見えます」と、ここでも経済ベースでの考え方を指摘。

 さらに、続く「基本方向」の章では沖縄の海洋性の自然環境を「人々を魅了し惹きつける」ための「ソフトパワー」の材料として位置付け、海洋環境保護に取り組む理由としている。先の労働力不足への言及も合わせて、要所要所で自然環境や社会的な平等性・多様性を逐一経済的価値に変換して意味づけする傾向が強くある。

「環境や文化を“ソフトパワーというメガネ”を通して見ていて、これまで経済優先で行なって犠牲にしてきた自然環境や社会的な要素について省みる姿勢が欠けているように思えます」と石垣さん。
 「もちろん経済は大事」としつつ、「でも、あまりにも経済に振った考え方でこれまで取り組んできた中で、取りこぼしてきた要素や、気づけていない要素が色々あると思います。多様性も含めた社会をきちんと持続可能にさせるためにこそ、経済をうまく回さなければいけない。そうした点も踏まえて、そもそもの課題設定の立ち位置などを改めて見直してもいいんじゃないでしょうか」と強調した。

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