【参院選】沖縄初の実施は本土復帰前の1970年 当選は革新候補13回、保守候補8回

 
戦後初となる衆院選と参院選に向け、投票を呼び掛ける琉球政府の広報車。=1970年11月(沖縄県公文書館所蔵)

 任期満了に伴い、7月10日に投開票される第26回参議院議員通常選挙。沖縄で初めて参院選が行われたのはまだ本土復帰前で米国統治下だった1970年であり、補選を含め、今回で21回目となる。広大な米軍基地を抱え、基地の存在をある程度容認しながら経済振興を優先する保守勢力と、基地の返還や日米地位協定の改定を強く主張する革新勢力が激しく対立してきた。沖縄選挙区の1回目は「特別選挙」として得票数の多い2人を選出しており、これまでの当選回数は革新系候補が13回、保守系候補が8回となっている。

そもそも参議院とは? 「良識の府」とも 

 戦後、第1回参院選が開かれたのは1947年で、今年で発足から75年となる。被選挙権は衆議院が25歳以上なのに対し、参議院は30歳以上。任期は6年で、3年ごとに半数が改選される。衆議院のように任期途中での解散がなく、任期も衆議院の4年より長いため、長期的かつ専門的な視点から法案や政策を議論できることから「良識の府」と呼ばれる。

 予算や法案の議決で衆参の議決が一致しない時は、憲法で規定された「衆議院の優越」により衆議院の議決が国会の議決となるが、参議院には衆議院で可決された内容に問題点がないかをチェックする役割も求められている。

各選挙区別の定数(総務省のホームページより)

 今回の参院選は定数248のうち、改選124議席(選挙区74、比例代表50)と神奈川選挙区の欠員1を補充する選挙を合わせて計125議席を争う。昨年10月に発足した岸田文雄内閣に対する「中間評価」となる。

沖縄初の参議院議員は喜屋武眞榮と稲嶺一郎

 今年で本土復帰50周年を迎えた沖縄。終戦後、1972年まで27年間にわたり米国の統治下に置かれたが、参院選が初めて行われたのは復帰2年前の1970年のこと。前年の69年に佐藤栄作首相と米ニクソン大統領の共同声明で72年の日本復帰が決定したことを受け、70年5月に「沖縄住民の国政参加特別措置法」が公布された。

 法律の「目的」の項の第1条には「この法律は、日本国民たる沖縄住民の意思をわが国のあらゆる施策に反映させるため、沖縄住民の選挙した代表者が国会議員として国会における国政の審議に参加するための特別の措置を定めることを目的とする」と記されている。沖縄では、復帰運動の一環として1961年に当時の立法院で国政参加の「要求決議」が全会一致で可決され、その後も度々要請を行ってきただけに、国政参加は県民にとっての悲願の一つだった。

沖縄初の参議院議員として記者会見に臨む(左から)稲嶺一郎氏と喜屋武眞榮氏=1970年11月16日(沖縄県公文書館所蔵)

 投開票日は1970年11月15日。3人が立候補し、沖縄教職員会会長の喜屋武眞榮(革新共闘会議)が212,929票でトップ、琉球石油(現りゅうせき)の創業者である稲嶺一郎(自民党)が194,510票で2位となり、2人が当選した。

 翌11月16日の記者会見で、米軍基地の即時無条件全面返還を訴えた喜屋武は「沖縄問題を国会に反映させることに最大の意義があるので、衆院の革新議員とも結束し、全身全霊を傾ける。保守革新を問わず、問題中心に結束する沖縄議員クラブの結成を提唱し、このカナメ役を担っていきたい」と決意を示した。

 一方の稲嶺は「私の考えは沖縄の経済開発をいかに進めるかという点に重点があり、(中略)企業振興、誘致に努めたい。基地については漸次縮小を考えている。自衛は当然のことであり、自衛隊の駐留をいたずらに恐がることはない」と語った。

 ちなみに戦後沖縄初の衆議院議員選挙(当時は全県区で当選者5人)も同日に実施されており、得票数の多い順に、後に復帰後3代目の県知事となる西銘順治(自民党)、瀬長亀次郎(沖縄人民党)、上原康助(日本社会党)、國場幸昌(自民党)、安里積千代(沖縄社会大衆党)が当選している。

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