【参院選】沖縄初の実施は本土復帰前の1970年 当選は革新候補13回、保守候補8回

 

直近は革新系3連勝 21年衆院選で潮目に変化も

 1971年の第9回参院選からは全国と同様に3年ごとに1人が改選となり、保革が議席を分け合う状態が続いた。大田昌秀知事による革新県政下の1990年代は革新系候補が強さを見せたが、98年の県知事選で稲嶺惠一知事による保守県政が誕生し、自民、公明による選挙協力体制が確立した2000年代からは再び保守、革新が順番に当選するようになる。

 翁長雄志前知事を筆頭に、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する政治家や企業など一部の保守勢力と革新勢力が共闘した「オール沖縄」が2014年に誕生し、オール沖縄対自公の構図となった近年は、革新系候補が3連勝している。

今参院選で事実上の一騎打ちを繰り広げる(左から)伊波洋一氏と古謝玄太氏

 今回もオール沖縄勢力が推す無所属現職の伊波洋一氏(70)と自民新人で公明推薦の古謝玄太氏(38)が事実上の一騎打ちとなり、同様な構図となった。ただ、直近の国政選挙となる昨年10月の衆院選では潮目の変化が表面化した。

 翁長前知事の死去や一部経済界の離脱でオール沖縄が退潮し、県内の衆院4区でオール沖縄と自民が2議席ずつを分け合う結果となった。辺野古を抱える名護市を含む3区では、自民の島尻安伊子氏が19年の補選で敗れた屋良朝博から議席を奪還。全4区の合計得票数では自民が294,455票、オール沖縄が288,711票となり、オール沖縄が誕生して以降の衆参選挙、県知事選を通して初めて自民が全県の得票数で上回った。

 辺野古の移設工事が着々と進む中、コロナ禍や物価高による生活苦も日に日に厳しさを増している。9月には天王山となる県知事選も控えるだけに、県民の選択が注目される。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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