沖縄振興予算、4年連続で3010億円 一括交付金は減額 

 

 政府は21日、2021年度予算案を閣議決定し、沖縄振興予算には4年連続で3010億円が計上された。このうち、使途について自治体の自由度が高い一括交付金は前年度比3.2%(32億5400万円)減の981億200万円で、国がじかに市町村や民間の事業へ給付する沖縄振興特定事業推進費は同54.5%(30億円)増の85億円となった。

 道路、港湾、空港などの社会資本整備や、学校施設の耐震化、首里城復元などの公共事業関係費は、同0.02%増の1420億1600万円。西普天間住宅地区跡地で琉球大学医学部や大学病院の移設などを行う「沖縄健康医療拠点整備経費」は同6.4%増の94億5700万円となった。

 また、新規事業として、新型コロナウイルスに対応する新たな生活様式に配慮した、沖縄ならではの長期滞在型の観光サービスについて開発を支援する「新たな沖縄観光サービス創出支援事業」2億6000万円などが計上された。

沖縄関係税制7項目、1年延長が正式決定

 また、同じく閣議決定された2021年度税制改正の大綱では、県産酒類の酒税軽減措置など沖縄関係の税制7項目については、実績が少ない一部業種を特例措置から除外する事例はあったものの1年間の延長が決まった。沖縄路線の航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の特例措置の税率を、21年度は現行の半額とすることも決定した。

 21年度予算案の決定を受け、河野太郎沖縄担当相は「厳しい財政状況の中ではあるが、沖縄振興を総合的、積極的に推進するための所要額を確保した。一括交付金のより一層的確かつ効果的な活用の推進を含め、それぞれの予算を有効に活用し、引き続き沖縄の振興に全力で取り組んでいく」とのコメントを発表した。

 玉城デニー知事は「沖縄振興一括交付金が前年度より減額となったことは残念だが、国の財政状況が厳しい中、2020年度第3次補正予算に計上された公共事業関係費等を含めると約3200億円が確保された。税制改正では、産業の振興や県民生活の向上を図る上で重要な役割を担っている沖縄関係税制7項目全てについて延長が認められた。心より感謝する」とコメントした。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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