副市長人事案、審議未了で廃案に 那覇市議会
- 2020/12/23
- 政治
那覇市議会は22日、最終本会議を開催し、平良識子市議(ニライ会派)を副市長に選任する議案を採決する予定だったものの議事が空転した。23日午前0時で自然閉会となり、同議案は審議未了で廃案となった。
同議案は16日付で退任した久高将光副市長の後任をめぐる人事議案で、当初は10日の本会議で議論された。しかし、同日は採決対象となる市議36人のうち、自民、公明、なはのみらい、無所属の会など23人が退席。その後、採決日を22日とする動議を賛成多数で可決していた。市政与党側でも、ニライ会派から宮平のり子氏、上原快佐氏の両氏が9日に離脱するなど不協和音がみられた。
22日も、午前中の本会議で中立会派の議員らが退席し、自民、公明両会派からの「調整が必要」との申し出があり休憩に入った。休憩中も、数度にわたって議会運営委員会(粟國彰委員長)が開催されたが、自民党などから「意見がまとまらない。再度、持ち帰りたい」との意見が出されて休憩が延長された。
一方、当初設定されていた会議終了時間の午後4時となる直前には、本会議場で桑江豊副議長が「会議の延長」を宣言して23日午前0時までの延長が決定。ニライ会派は開議請求を目指し、公明も同調する動きを見せた。ただ、仮に本会議が開催されても少数での可決になるため、開議請求に共産が難色を示したという。そのため事態は進展せず、自然閉会となった。
閉会後、中立会派の議員の1人は「そもそも、市政与党会派から離脱者が出るなど与党がまとまっていない中で採決は難しかったのではないか」と述べた。与党側の一人は「残念だった」と肩を落としていた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)